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ノベルゲーム『終のステラ』をプレイした感想

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ひらたけ

ビジュアルアーツ のゲームブランド 「Key」から 2022 年の秋に発売された『終のステラ』 をプレイしました。ゲームの発売自体は 2022 年ですが、翌年の 2023 年秋に Steam 版 が発売され、私はそちらを購入。結構前に買うだけはしていたものの、普段こういったノベルゲーム的なものをあまりやらないので積んでしまっており、そろそろやるかということで。

プレイした感想となりますので 多少のネタバレを含む内容 となります。見たくないという方は、是非ゲームを購入していただいてご自身でプレイしてからお読みください。

終のステラのタイトル画面の画像

この『終のステラ』は「キネティックノベル」というジャンルだそうで、美少女ゲームなどによくある 「攻略対象を選ぶ」のような選択肢が無く 小説を読んだりアニメを見たりするのと同じ感じで進めていく形式のもの。登場人物の声には全てボイスがあり、その声によって物語の世界へより一層引き込まれます。

物語の舞台は、人類が滅びへと向かいつつある地球。主人公の「ジュード」がヒロインである少女型アンドロイド「フィリア」と出会うところから始まります。以下は 公式サイト からの引用です。

地球が、すでに人類の世界ではなくなってから久しい。
世界はシンギュラリティを起こした機械群に支配され、人々はその片隅で、息を潜めて生き長らえていた。

運び屋“ジュード”の元に、依頼が舞い込む。 それはシンギュラリティ機械群の影響を受けない、 少女型アンドロイド“フィリア” を輸送して欲しいというものだった。
世間知らずなフィリアの行動に嫌気がさしながらも、ジュードは旅を始める。 時には略奪を繰り返す人間から逃げ、時には機械群が闊歩する危険地帯を通り抜け、 輸送依頼を果たそうとする。

フィリアは何度も人間になりたいと口にする。
遥か空の先に辿り着けば、 アンドロイドは人間になれると言うのだが......?

「シンギュラリティ」というのは技術的特異点のことを指すそうで、AI が人類の知性を超える地点という意味だそう。そんな シンギュラリティが到来し AI が作り出した機械群が地球を支配している時代 に、どうにか生きている人類が住む街と街とを渡り歩いて知識や物品を取引する「運び屋」という職業は非常に危険な職業。

一歩間違えれば、あっという間に人知を超える超巨大な機械や言葉の通じない野生化した人類などによって命を奪われてしまいます。

そんな「運び屋」である主人公のジュードは、少女型アンドロイドを遠くに居る依頼人の元まで運んでほしいという依頼を受けるわけですが、危険なエリアを探索して見つけたのがヒロインのフィリア。自身がアンドロイドであることは認識しているものの、彼女には名前も常識もなく、あるのは 「人間になりたい」という願い だけ。

ジュードが少女型アンドロイドに「フィリア」という名前を付け、運び屋としてフィリアを依頼人の元へと向かう長い旅に出る…というのが物語の始まりです。

終のステラの画像

ストーリーを読み進めていく中で思ったのは、まあ兎にも角にもフィリアの言動がイライラすること。命がけの旅だというのに、見ず知らずの人間を救おうと理想ばかりを追い求めてフィリアを守ろうとするジュードが傷つく。ジュードとの約束を何度も破るし、自身を守るためにと渡された銃を拒み続ける。

私自身がそういった内容に対して、特に「約束を違える」というのに耐性がなさすぎるので結構読み進めるのがしんどい部分ではあったのだけれど、物語を最後まで読むとアンドロイドであるフィリアの心が成長していく過程を描く上では必要なエピソードであったことが分かります。

また、ジュードのフィリアに対する感情の変化も丁寧に描かれていて、さいごの場面でのフィリアとの会話は思わずウルッとしてしまうものでした。


私がこの『終のステラ』という作品を知ったのは、YouTube でたまたまおすすめに出てきた オープニングムービー でした。

「ストーリーは何も知らないけれど、曲がめちゃくちゃ良いな~」と何度か繰り返し聴いていたのですが、最後まで読み終わってから聴くとまた違った印象。ただただカッコいい雰囲気の曲だなと思っていたのが、歌詞と映像に涙腺が緩むように。エンディングの曲は初めて聴いたけれど、これも良すぎる。

プレイ時間は、ボイスをほぼ全部聞きながら進めて 9 時間ほど。良い作品でした。