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京都祇園にある漢字ミュージアムへ行ってきた

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ひらたけ

京都にある 漢字に関する展示がされている漢字ミュージアムへ行ってきました🔠 日本漢字能力検定(漢検)を実施している日本漢字能力検定協会が運営している漢字博物館・図書館で、漢字についての勉強になるけれど勉強している感がなく楽しく学べる施設だそう。

漢字ミュージアムがあるのは京都の祇園。四条通を東へ真っすぐ進んだ先、八坂神社 の近くにあります。京都最大の繁華街である四条河原町や有名な神社である八坂神社から近く、京都らしいお店が多数並ぶ祇園の中にあるということで、周辺は大勢の観光客で賑わっていました。

漢字ミュージアムの写真

京都らしいどこか歴史を感じる街並みの中にある、モダンな雰囲気の建物。2016 年にオープンしたそうで、まだ 10 年も経っていない比較的新しい施設のようです。

建物内へと入り、入館料をお支払いしてさっそく漢字ミュージアムの展示エリアへと向かいます。入館料は大人ひとり 800 円。クレジットカード等での支払いにも対応していました。小学生や中学生、高校生との同伴の場合は大人 2 名まで 300 円引きの 500 円になるようです。子供を連れての家族での入館の場合にはだいぶお財布が助かりそう。

2023年の「今年の漢字」の写真

受付を抜けてすぐのところには 2023 年の「今年の漢字」が展示 されていました。毎年 12 月 12 日に京都の清水寺で発表される「今年の漢字」、昨年 2023 年の漢字は「税」。発表が 12 月 12 日なのは、この日が「いい字一字」の語呂合わせにちなんで制定された「漢字の日」だからだそう。

生活に直結する増税・減税の動向が注目された一年だったからということだそう。写真でしか見たことがありませんでしたが、実物見るとだいぶデカくて圧倒されます。

漢字ミュージアムの感じの歴史絵巻の写真

今年の漢字の展示のさらに奥へと進んでいくと、壁一面に書かれているのは漢字の歴史。古代中国での漢字の起源から、漢字が日本にやってきた時代の話、そしてコンピュータで文字を入力する現代に至るまでの話が写真付きで紹介されていました。

漢字のはじまりである「象形文字」を作ったとされているのは、古代中国の役人「蒼頡」という人物。漢字を一人で作るような偉大な人物なので、よほど特別な観察眼を持っていたと考えられていて、「蒼頡は 4 つの目を持つ」と伝えられてきたそうです。とんでもない人物すぎる。

漢字ミュージアムの骨や甲羅に刻まれた甲骨文字の写真

現存する最古の漢字は、亀の甲羅や動物の骨に彫り込まれた「甲骨文字」と呼ばれるもの。紀元前 1,300 年頃から紀元前 1,000 年頃の時代に、殷という王朝の王が戦争の勝ち負けなどについて占い、どのようなお告げがでたかについて文字で記録がされていたようです。

館内にはその動物の骨や亀の甲羅に刻まれた甲骨文字のレプリカの展示もされていました。なんかこう、骨に書いてあるということもそうですが、普段見慣れない形状の文字ってなんとなく不安な気持ちになるというか不気味な感じがするのは私だけでしょうか。

漢字ミュージアムの踊る甲骨文字テーブルの写真

近くには「踊る甲骨文字テーブル」という、手をかざして動かすという体験型の展示も用意されていて、難しい説明を読むことのできない小さい子供でも楽しめるようになっていました。

この漢字が動くテーブルの他にも、入り口で渡された「体験シート」なる紙をこすって「今日の占い」を出したり、有名な「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印スタンプを押したりするような、実際に手を動かして学べる展示が多数用意されていて工夫を感じました。

体験シートに押すことのできる「漢委奴国王」と書かれた金印スタンプは、倭が西暦 50 年頃に中国へと貢物をした際に授けられた金印が基になっているもの。これにより日本が漢字文化圏へと入ったようです。

漢字ミュージアムの漢字5万字タワーの写真

その後は漢字から「ひらがな」「カタカナ」が生まれたり、時代が進んで国が日常で使う漢字を整備するようになったり、コンピュータに漢字を打ち込む時代がやってきたり。訪れていた小さい子供たちは体験型の展示で楽しんでいましたが、大人もこうした説明を読んで楽しく学べるようになっていました。

漢字ミュージアムの方言漢字の展示の写真

漢字が約 5 万字も書かれた「漢字 5 万字タワー」を眺めながら階段で 2 階へと上がっていくと、画面を操作したり引き出しを開けたりと、触れて楽しみながら学べる展示がたくさん用意されていました。

見ていて興味深かったのは「方言漢字」の展示。ことばにそれぞれの地域だけで使われる「方言」があるのと同じように、漢字にも特定の地域だけで使われる方言のような漢字が存在するそう。大阪の「阪」も方言漢字のひとつのようで、たしかに地名以外ではあまり見かけないな、と思いました。

あとは私の実家がある石川県の「咋」の字。金沢よりも北にある「羽咋市」でこの漢字が使われていますが、難読地名として紹介されることもあるくらいには使われない漢字。こちらも地名以外では見たことがないかも。

漢字ミュージアムの魚の漢字が書かれた大きなコップの写真

これは様々な展示に混じって設置されていた、魚の漢字がいっぱい書かれた巨大湯のみ。少し離れたところの床に「ここから撮影してください」的な案内があったので、そこから写真を撮影しました。なんかこういう感じの湯のみ、実家だったか祖父母の家だったかにあった気がする…。

Cafe倭楽の抹茶ラテの写真

漢字ミュージアムの建物内には、ここまで見て回った漢字に関する展示の他にカフェも併設。こちらは入館料を支払わなくても入ることができ、訪れたタイミングが良かっただけかもですが、周辺を大勢の観光客が歩いているにも関わらず比較的空いていました。

うろうろと展示エリアを歩きながら勉強をして少し疲れたので、飲み物を注文してゆっくりさせていただきました。注文したのは京都宇治抹茶を使用しているという抹茶ラテ。甘いけれど、濃い抹茶の味も感じられるおいしい抹茶ラテでした。

祇園祭ぎゃらりぃの実寸大山鉾の写真

また、カフェの近くには「祇園祭ぎゃらりぃ」という祇園祭を感じられる展示スペースがあり、土産物の販売のほか実寸大だという山鉾のレプリカが置かれていました。神事に使用される山鉾を複製することはできないそうで、置かれているのは一般的な構造を再現したオリジナル鉾だそう。

高さは大きいもので約 25 メートル、重さは約 12 トンにもなるそう。デカいし重い。


漢字について勉強する施設ということでちょっと身構えつつの訪問でしたが、思っていたよりも楽しく充実した時間を過ごすことができました。小さい子供たちの姿が多く見られましたが、みんな楽しそうに漢字に触れていたのが印象的でした。

あと、日本漢字能力検定協会の本部の住所が漢字ミュージアムのものと同じになっていて、漢検の協会の本部が祇園にあるということを初めて知りました。東京にあると思ってた。