まどそふとの『ラズベリーキューブ』をプレイした感想
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友人から誕生日に Steam でゲームのギフトをいただいた(圧倒的感謝)ので まどそふとから 2018 年の秋に発売された『ラズベリーキューブ』 をプレイしました🎮️ 公式 YouTube チャンネル にてゲームのオープニング曲のフルバージョンを期間限定と言いながらずっと公開し続けることで有名なまどそふとの美少女ゲーム。『raspberry cube』は何度も聴かせていただいているにもかかわらず、ストーリーは何も知らない初見。
プレイした感想なので、以下の内容は 多少のネタバレを含むもの となります。見たくないという方は、是非ゲームを購入していただいてご自身でプレイしてからお読みください。また、年齢制限のあるゲームなので 読んでも大丈夫かを自身の心に問いかけた上で自己責任で お読みいただければ。
今回プレイしていくのは Steam で販売されているもの。ストーリーなどは通常の PC 版や Nintendo Switch などのコンシューマー版と同じだと思いますが、Steam 版は インターフェイスが日本語に対応していない という特徴があります。登場人物のボイスは日本語だし、字幕として日本語の本文を表示することも可能ですが、各種ボタンや設定項目などは全て中国語。
私は中国語を全く知らないですが、「いうて日本語の字幕を表示できるから大丈夫やろ」などと言いながら進めていくと、話はわかるけど ちょいちょい喋ってる人の名前が読めない とかありました。「混混」って誰だよ(調べたら「不良」とか「チンピラ」みたいな意味っぽい)。
スマホに翻訳アプリを導入し、時折カメラでパソコンの画面を映しながらのプレイを挟みながら進めました。わりとめんどい。でもキャラクターかわいいから全部許す。
Steam 版は一部のシーンがカットされたバージョンでした。個人的には知ってるキャラクターのそういうシーンを見るのがしんどいのでこれで良いのですが、物足りないと思う人もいるかも。どっか探したらパッチとかあるのかな?
物語は、主人公の「吾妻悟」が「河江」という街に引っ越してきて一人暮らしを始めるところからスタート。主人公の両親が離婚していたり、以前この「河江」の街に住んでいたりと、何やら色々と込み入った事情がありそうだということを匂わせつつ物語が進んでいきます。
共通ルートでは、深くは入りこまないけれど作品に登場するヒロインとの出会いの場面がそれぞれ描かれていました。突然落とし穴に落とされたり、借金取りに絡まれていたり、エアガン持ちながら接客されたり、突然畑仕事を手伝わされたり…。ヒロイン全員がなんかすごいブッ飛んでる…畑仕事してるのは普通かもしれんけど、いかにもフィクションらしい世界観で「こういうのでいいんだよ」感。現実で楽しめない世界を覗きに来てるんだから。いいぞ。
攻略対象となるキャラクターは、タイトル画面の立ち絵の左から順に「海道美琴(CV: 北見六花)」「狩野みなと(CV: 蒼乃むすび)」「桜庭・ヴィクトリア・瑠莉(CV: 小波すず)」「結月悠(CV: 飴川紫乃)」の 4 人。
ストーリーを読み進めていく途中で出てくる キャラクター選択的な画面で任意のキャラクターを選んで、1 人ずつ攻略していく形式 でした。どの子も可愛くて、選ぶのが苦手な優柔不断オタクには難易度の高いゲームなのだわ。あとイラストでなんとなく分からないこともないけど、場所の名前が中国語過ぎて読めない。
優柔不断オタクなので、攻略順は オープニングムービーでのキャラクターの紹介順で進める ことに。公式ウェブサイトのキャラクター紹介ページの並びと同じで「桜庭・ヴィクトリア・瑠莉」→「海道美琴」→「結月悠」→「狩野みなと」の順番。
まずは 「桜庭・ヴィクトリア・瑠莉」のルート を進めます。公式サイトの紹介文は以下の通り。
会うたびに主人公に罠を仕掛けてくる、謎の美少女。
最初は町、次第に家の周辺や学園でも姿を見かけるようになるが、いつも一人でほとんど口を開くこともない。実は学園の生徒会長で文武両道の完璧超人。その凄まじさは、「一人でできるから」と生徒会の全役職を兼任していることにも表れている(この学園の役員は任命制)。
孤高の美女、アイスビューティ――
その実、ただの電波な厄介さんであることを主人公だけは知っている。
紹介文にもある通り、マップからの選択のたびに罠を仕掛けられて主人公が理不尽な目に遭います。理由もよく分からないまま 3 回目のマップからの選択の後、会話での発言を選ぶ表示が出現。選択肢の言葉が日本語じゃなさ過ぎて読めない。よくわかんないけど上の選択肢を選んだらルートに入った。俺は何を言ったんだ。
このルート、個人的にはちょっと読み進めるのがしんどくて、前半がひたすら理不尽なことが続いて普通にイライラさせられました。ヒロイン側にも思うところがあるとはいえ、引っ越してきたばかりでこの街で一人で生活するためにやらないといけないことがあったり、主人公側にだって複雑な事情があったりするのに、自分勝手な理由で色々やられてちょっとかわいそうすぎる。学校中で悪の権化のような扱いされるし。
和解した後のヒロインは本当にかわいいのだけど、ちょいちょい「どの口でそんなこと言ってんだ君」という感情が芽生えて素直に楽しめないところがありました。
次は 「海道美琴」のルート を進めます。公式サイトでの紹介は以下の通り。
主人公とは遠い親戚。しっかり者で家事全般得意だが、少し天然なお姉さん。特に異性への警戒心は低く、平気でパジャマのまま主人公に話しかけたり、落ちている新聞を無造作に拾ったりと、色んな意味でハラハラさせられることも。経営が傾いているアパートを家族で経営していて、父親がいけないところに借金して蒸発した(?)ため、なかなか生きづらいことになっている。主人公の引っ越しが決まった後でこういう事態になったため、申し訳なく思っている様子。
優しくて穏やかな、誰からも好かれるお人柄(ただし借金取りつき)。
まず 1 回目の選択からいきなり距離感が近すぎる。遠い親戚ということで「弟ができたみたい」とギュってしてきたり、人前で可愛らしくラッピングしたクッキーを渡してきたり。あとあまりにも天然というか、発言が斜め上で借金取りとのやり取りが面白い。
そんな甘々な内容が繰り広げる中での 3 回目のマップ選択後の会話での発言を選ぶ表示。前後のやり取りと漢字の雰囲気からなんとなく意味が分かる気もするけれど、日本語じゃなさ過ぎて読めない。よく分からないまま今度は下の選択肢を選んだらルートに入った。マジで俺は何を言ったんだ。
初登場の場面で借金取りが出現していたこともあって、当然のことながらシリアスな場面がちょいちょい挟まりつつも、それを長々と引っ張り続けないところが読み進めやすくて良かったです。ヒロインの天然さや、主人公たちが住む建物の住人たちとの意味不明なやりとりによる笑える場面が多めだったのも良かった。
最後は、ちょいちょい喧嘩やら関わりたくないみたいな雰囲気だった住人たちと協力し合って夢に向かって進んでいこうみたいな王道的熱い展開で、プレイしている私の方も前向きな気持ちになれるようでした。
ところで、選択肢から発言を選んでルートに入った直後、「まどそふと最新作『ラズベリーキューブ』は、2018 年 9 月 28 日、発売予定だよ~!」という美琴さんの声が聞こえてきたのは何なんだ。後半の方で「予約してくれたら、お姉ちゃんうれしいな~?」とか言ってたので、なんか体験版か何かの音声が紛れ込んでると思われるんだけど、大丈夫なのかこれ…。
続いて 「結月悠」のルート を進めます。公式サイトでの紹介は以下の通り。
ぱっと見ギャル。家がミリタリーショップ&カフェを経営していて、(本人曰く)渋々手伝いをしている。元は普通のカフェだったのに、最近は改装も進み、すっかり父親と仲間達の根城化していることを不満に思っているようで、店の常連に対しては、顔をあわせれば「働け」「オタ」と悪口三昧。だが、彼女の罵倒とおいしいコーヒーは大変なご褒美と評判で、客足が絶える様子はない。そんな空気を疎ましがったり罵ったりしながらも、なんだかんだ息のあった掛け合いをしていたりと、本人もそう悪くは思っていない……かも?なお、このことは学園では内緒にしていて、偶然に主人公に知られてからも口止めしてくる。見た目とクールな雰囲気から大人っぽく見られているものの、男女関係の経験はからきし。実は純情。
紹介文の通り、ぱっと見ギャル。普通に遅刻してきたり、午後からも授業はあるのに昼になったら帰ったり、そもそも学園に来なかったり。そんな悠ちゃんさんは、腰をやってしまって入院中のパ p…親父の代わりにカフェの経営をしていて、なんやかんやあって主人公はその店でアルバイトをすることに。ルートに入るための、何度見ても何書いてあるか分からん会話の選択肢で 2 択を外しセーブデータからロード。だから俺は一体何を言(ry
このルートは、とにかく悠ちゃんさんの表情の変化が激しくて見てて楽しい。主人公がイジりたくなる気持ちも分からんでもない。2 人ともイジりイジられで読み進めている私もちょいちょい一緒にツッコミを入れつつな感じで楽しかったです。見た目はクール(?)なギャルだけど SNS もやってないどころか全然知らんし、みんな大好きオタクに優しいギャルというよりはただのミリオタかもしれん。
なんとなくシリアスな場面はあったものの、それもどこかコミカルな感じで描かれているか、わりとすぐ解決したりで引きずらないのも良かったです。どっかの親父も、後半はちょっとかわいく見えてきたし……たぶん。
あと主人公は何者なんだ。店のウェブサイトを作り変える話で「SEO 対策が~」とか言い出すし。私と同業か?
最後は 「狩野みなと」のルート を進めます。公式サイトでの紹介は以下の通り。
新入生。先輩部員達がいなくなって打ち捨てられていた園芸部(が管理してた畑)の惨状を見て一念発起。畑を一人で整備し直して、新生園芸部の部長に就任した。現在は一人で畑を管理しながら、新入部員獲得に励んでいるが誰も入ってくれない。朝5時集合とか毎日天候に関係なく畑の世話をしないといけないのとかが理由なのだが、本人は熱意の問題だと思っている様子。ちょっとおバカな一面もあるが頑張り屋さんで誰からも好かれるタイプ。友達も多い(部活に入るかは別として)。ただし、少しやりすぎて自分を見失う一面も。おばあちゃん子で祖母が農家。農業の知識は祖母から伝授されたもの。
出会いも学園の畑だったけれど、マップ選択後でのやり取りも基本的には畑かその側のグラウンドとか。最初にプレイした「桜庭・ヴィクトリア・瑠莉」ルートと同様にひたすら理不尽なやり取りが続くのだけれど、こちらは悪意があってのことではないし、テンションの高さで押し切られるのでそこまで苦ではない感じ。テンションが高すぎて、リアルでこんなことされたら疲れそうだなあとは思うけども。
なんやかんやあって、ルートに入るための読めない選択肢を運ゲーで選んで、その熱意に負けた(?)主人公は無事園芸部へ入部。だ(ry
超序盤の園芸部への勧誘から距離感が近くて、事あるごとに「ちゅき」ってめちゃ言われるのだけれど、中国語でこういう表記をちょっと変えるみたいなのどうやるんだろうみたいな、気になるポイントを知ることが出来るという中国語 UI 唯一のメリットみたいなものが発見されました。そして一番大事な場面で「ちゅき」じゃなくて「好き」って言ってくるのはズルい。
ちょいちょいトラブルはありつつも、終始明るく笑いあってる感じで最後まで楽しくストーリーを読み進められました。Steam に投稿されているスクショも多かったし、SNS でアイコン画像にしている人もよく見かけるので結構期待していましたが、その期待を裏切らない感じで良かったです。虫が無理な気持ちは私も分かる。
攻略にかかった時間は 1 ルートあたり 5~6 時間ほど。私は「このゲームをやり始めたら数十時間も吹き飛ぶのか…」と考えるとなかなか手を出せなくなってしまうタイプなので、この手のノベルゲームを日常的にプレイし続けている人類凄すぎるなというお気持ち。Steam のライブラリにいくつか積んでるのがあるので、年に 2 つとか 3 つとかくらいはどうにかやりきりたいところではある。
最後までプレイした上で、個人的おすすめの攻略順を考えるなら、最初は「桜庭・ヴィクトリア・瑠莉」のルートをプレイ、後は好みに合わせて…という感じ。生徒会長のルート以外は主人公の過去に対する話がかなり簡潔かほぼ無かったので、先に主人公に対する理解があったほうが話は頭に入って来やすいかなーと思いました。
あと、全員のフラグをへし折ろうとしたら最後は選択肢が出ませんでした。それはそう。