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学生の頃に電車内でぶっ倒れた話

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ひらたけ

ぼんやりと SNS を眺めていて、ふと目についた列車の非常ボタンの話。そういえばと思い出したのが、学生の頃に 電車に乗っていたらいつの間にかぶっ倒れていた ときのこと。私は倒れた本人なのでそのときの状況が一体どうだったのか分からないのですが、非常ボタンって押されたのかな、と。


中学校を卒業した私は、国立の高等専門学校、高専へと進学しました。

小学生から中学生になるときには、他の小学校から来た人はいるものの、同じ学年にいる人たちの半分くらいは知っている顔。それに対して、高専への進学は知らない人ばかりの世界にひとり飛び込むようなもので、なんとか少しでも早く話せる人を増やそうと意気込んでいたのを覚えています。

そんな毎日が緊張続きの入学したての春、休日に中学時代の友人と映画を観に行きました。もう何年も前のことなので、そのときの会話はあまり覚えていません。映画を見て(アニメ映画だったと思う)、面白かったねと再び電車に乗って帰路についた、そんなとき。

気がつくと、視線がやたらと低い位置にあり、頭は車掌さん(男性の方だったはず)の膝の上でした。

Adobe Firefly で生成した青空の画像

その後のことはおぼろげで、なんやかんやあって病院に連れて行かれて検査したり診察を受けたり。突然に意識を失ったということで、癲癇の疑いで数ヶ月に 1 回とかの頻度で病院に通う生活が数年続きました。

脳の MRI 検査は音楽が聴こえるヘッドフォンを機械の轟音が貫通してくるし、ベッドが動くので乗り物酔いのような感じで気分が悪くなるし。頭に謎の装置を取り付けて暗い部屋で 1 時間ほど横になる脳波の検査では、寝てくれと言わんばかりの環境なのに寝てはいけないと言われ、うとうとすると起こされ、突然目の前を電灯が超高速でチカチカして。

結局のところ、数年後に「癲癇ではない」「倒れたのは疲れが溜まっていたのだろう」みたいな感じで診断されて病院に通うのは終了。けれども過去に一度癲癇の疑いで病院に行っていたというのが、何かのタイミングで顔をのぞかせ妨害してきます。

自動車の運転免許を取ろうと合宿に行ったときは、長い時間をかけて向かった自動車学校から初日にいきなり家へと引き返して病院から診断書を貰ってくることになったり。ヒゲの脱毛をしようと病院へと向かえば、強い光を当てることになるのでこちらもまた診断書が必要だと言われたり。


電車で倒れたのはこの一件だけで、その後今日まで気がついたら車掌さんの膝の上だったなんてことはありません。そのとき一緒だった友人とも、数年後の成人式のときにほんの少しだけ顔を合わせて以降今日まで交流がないまま。

あのとき、電車の車内はどういう状況だったのだろう。誰かが非常ボタンを押して車掌さんを呼んでくださったのでしょうか。目の前で知り合いがぶっ倒れた友人は、きっと相当慌てたんじゃないかな。また会う機会があれば、「ごめんね」と「ありがとう」を伝えたいな。

そんなことを、列車の非常ボタンの話を見かけてぼんやり考えていました。これから徐々に暖かくなってくる季節ではありますが、みなさま体調には気をつけて。ご自愛くださいませ。