なんばから天王寺までを徒歩で行く
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先日、大阪のなんばを訪れた際に 大阪・ミナミの繁華街なんばから天王寺までの間を散歩してきました🚶 この区間は Osaka Metro 御堂筋線が通っており、列車に乗れば地下鉄のなんば駅から天王寺駅まではたったの 7 分ほどで移動できてしまいますが、たまには列車ではなく自分の足で移動してみようということで。
スタート地点は 梅田擁する大阪・キタと双璧をなすミナミの繁華街なんば です。
なんばには、大阪市内を縦横無尽に張り巡らされた地下鉄 Osaka Metro 御堂筋線・千日前線・四つ橋線のなんば駅や、現在なにわ筋線開業に向けて工事が進められている JR 難波駅、それぞれの終点駅であり相互に乗り入れて直通運転が行われている近鉄・阪神電車の大阪難波駅など、多くの鉄道路線が集まり、各地から人が集まる繁華街を形成しています。
その中でも、なんばで圧倒的存在感を放つのは南海電鉄のなんば駅。同社最大の乗降人員数がある大ターミナル南海なんば駅は、阪急大阪梅田駅に次ぐ国内で 2 番目の規模を誇る 9 面 8 線の巨大な頭端式ホームを持ち、関西空港や和歌山方面などへと向かう列車が多数発着しています。
駅ビルである南海ビルディングには 大阪高島屋 がテナントとして入居し、歴史を感じさせる外観の建物の北側には なんば広場 という広場の整備が進められています。
駅のホームの下や地下に広がる なんばCITY や駅直上に建てられた超高層ビル なんばスカイオ、グランドレベルから地上 9 階まで続く段丘状になっている屋上公園が整備された なんばパークス や南海なんば駅の南側に続く線路の高架下の なんばEKIKAN と、南海グループの商業施設や建物が集まり複雑に入り組んでいます。未だに全容が分からない。なんばは大迷宮です。
南海なんば駅周辺を探検すると迷子になって遭難しそうなので、またの機会にということで。駅を出て、駅直結の商業施設なんばパークスを通って南へと歩いていきます。全体的にカーブを描いている建物は形状が非常に特徴的で、壁の色やところどころに見える緑から峡谷の谷底を歩いているかのよう。
繁華街らしく多くの人々が歩いている中を、真っ直ぐ歩いているのかカーブしているのか分からなくなりながら歩いていくと、2023 年 7 月にグランドオープンしたという なんばパークス サウス へと続く歩道橋が見えてきます。このまだ新しいエリアには、カフェやレストランなどがあるのはもちろん、日本初進出だというタイの高級ホテルや京阪グループのホテル、オフィスなどで構成されているようです。
なんばパークスから階段を降りて地上へ。この日はやや天気がご機嫌斜めで小雨がポツポツと降っており、少しでも濡れずに歩けるようにと南海電鉄の高架の線路の下を歩いて行くことに。南海なんば駅から南へと伸びる線路の下には なんばEKIKAN という商業エリアが広がっており、ぼんやりと「どんなお店があるのかな?」と眺めながら歩いていきます。
南海なんば駅の南へと伸びる高架の線路が完成したのは、今から 87 年前の昭和 13 年。そんな歴史ある高架下には、今風のお洒落なお店がいくつも並んでいます。お店の一覧を見てみると、カフェやレストラン以外にスポーツ関連のお店やライブハウスなどがあるみたい。
南海グループの他の商業施設とはまた違った雰囲気で、高架下というのもあってかちょっぴり無機質な感じだったりレトロな感じだったり。
高架下を歩いていくにつれて徐々にお店も人通りも減っていきます。もう少しで南海高野線の今宮戎駅というところで、進む方向を南から東へと変更。ここからは少しでも雨よけになればいいなと、阪神高速の高架道路の下を歩きます。
上を通っているのは阪神高速 1 号環状線、その南端です。近くで見ると思っていたよりも高架の道路が細いなという印象。建物が密集している都会のど真ん中にどうにかして通した道路という感じがして、その都会っぽさが個人的にはすきです。
歩道が普通に雨に濡れる位置だったので、傘をさしながら歩くこと数分。交差する大通りは堺筋という大阪市内を南北に貫く道路で、ここから北へと続くアーケードは日本橋筋商店街。東京の秋葉原や名古屋の大須と並ぶ電気街として有名で、パソコンパーツやアニメグッズなどを取り扱うお店があったりメイドカフェがあったり。
私は高専という学校に通っていたくせにそういったサブカルチャー的なものにあまり詳しくないので、私にとって日本橋は憧れの街。空はどんよりと厚い雲が覆っていて暗い雰囲気だけれど、趣味を全力で楽しんでいる人たちが眩しく見えます。
日本橋筋商店街のある堺筋まで来ると再び人通りは増え、外国人観光客と思われる方々の姿もちらほら。大阪へ観光で訪れた人たちに混じって、大通りを歩いて天王寺を目指しても良かったのですが、傘をさすかささないか悩むくらいの微妙な小雨が降り続けていたので阪神高速の高架下歩きを続行。
天気も相まって細く薄暗い高架下の道を東へ歩いていくと、見えてきたのは大阪のシンボル的存在 通天閣 とその周辺に広がる新世界。大阪観光のド定番な場所で、串かつだるまをはじめ大阪らしいグルメも楽しめるエリアです。昨年末に、通天閣を運営する 通天閣観光株式会社が株式譲渡により南海グループに入ることが発表 され、今後どのように発展していくのか気になるところ。
ここまで来たら行けるところまで絶対高架下から出ないぞということで、今回は通天閣を近くまで見に行くことはしませんでしたが、高架下の暗い場所から灰色の雲をバックにそびえる通天閣を見るのもなかなか良い感じ。
人通りや車通りも非常に少なく、遠くからぼんやりと新世界エリアを眺めているとどこか寂しいような物悲しいような、それでいて心落ち着くというか。そんな気持ちになります。
通天閣の見える高架下のスポットから、上を通る阪神高速はカーブを描きながら南北に分かれていきます。今回の目的地の天王寺はさらに南にあるので、高速道路の高架に沿って進路を南へと変えます。
かなり暗い高架下を歩いていくと、急に視界がひらけて目の前に見えてきたのは高さ 300m を誇る超高層ビル あべのハルカス。まだ少し距離はありますが、周辺の建物と比べてめちゃくちゃ背が高いので離れていてもよく見えるし目立ちます。近鉄大阪阿部野橋駅直結のビルで、駅ビルとしては日本で一番高い建物です。
現在地とあべのハルカスとの間に広がるのは天王寺公園という公園。ようやく目的地の「天王寺」の名前が出てきましたが、天王寺駅まではもう少し歩きます。
天王寺公園は大阪のビル群が立ち並ぶ大都会の中に作られた都市公園で、広さはおよそ 26ha(26 万平方メートル)。その広大な敷地の中にはお洒落なカフェやレストランなどの飲食店、広い芝生やフットサルコートといったスポーツが楽しめる施設に加え、天王寺動物園 や 大阪市立美術館 といった施設まで存在しています。
通天閣のある新世界エリアからほど近い場所にある天王寺動物園の入り口、新世界ゲートの隣にある階段をのぼり、動物園を南北に 2 分するような遊歩道を歩いていきます。高架の遊歩道からは天王寺動物園の園内を見渡すことができ、正面には大阪市立美術館の立派な建物が見えます。
この大阪市立美術館は 2 年半ほど前から開館以来初めてとなる大規模改修のため休館しており、先月 2025 年 3 月 1 日にリニューアルオープンしたばかり。また、大阪市立美術館のお隣、東側にある慶沢園という庭園も同日に改修工事を終えてリニューアルオープンしており、大阪・関西万博を前に新たなスタートを切っています。
今回のお散歩ついでに、時間があれば立ち寄りたいと思っていたのですが、残念ながら開館時間を過ぎてしまっていたので入れず。まだリニューアルオープンしてすぐのタイミングなので、もう少し落ち着いてから訪れてみようかなと思います。
美術館の建物の周りをぐるりと歩いてやってきたのは、広い芝生やお洒落なお店などが立ち並ぶ 天王寺公園エントランスエリア「てんしば」。このエリアを抜けると、ようやく今回の目的地である JR 天王寺駅です。少し前にもこの 「てんしば」を訪れた のですが、その時には存在に気が付かなかった白い「OSAKA」モニュメントの前で写真をパシャリ。私の他にも、外国人観光客と思われる人たちが写真撮影をされていました。
こういう地名のオブジェみたいなやつ、最近いろんなところにあって「ここにもあるのか~」という気持ちになりつつ、なんだかんだでやっぱり写真撮影したくなるみたいなとこある。
日も暮れ、徐々に暗くなり園内のお店に暖かな明かりが灯り始める中を歩いていきます。大阪ミナミの繁華街にある 南海なんば駅出発してからおよそ 40 分ほどで JR 天王寺駅に到着 しました。天王寺っていう駅名がなんだかつよそうでかっこいいですよね。
駅直結の商業施設 天王寺ミオ から漏れる暖かなオレンジ色の光がなんだか夕焼けのようで、この時間にぴったりな見た目をしています。
難波から天王寺まではもう少し時間がかかるかなと思っていましたが、意外と近いのだなという印象。今回はなるべく屋根や高架下を通るルートを選択しましたが、日本橋の電気街に通天閣に天王寺動物園に…と観光地てんこ盛りルートだってできちゃうので、大阪に住んでいる人のお散歩コースとしてだけでなく、街歩きがすきな観光客にも良さそうだなと感じました。
まあ、なるべく屋根や高架下を通るルートを選択したといいながら、なんだかんだで雨よけが出来た区間はほとんどなかったのですが…。なんばパークスは普通に濡れるし、なんば EKIKAN もお店の看板やたくさんの観光客を避けながらでしたし、高速道路は車道の上で歩道の真上は灰色の雲。
ときどき傘をさしながらのお散歩にはなってしまいましたが、大阪の街の様々な顔を見ることができて楽しいお散歩でした。おつかれさまでした。