近鉄生駒ケーブルに乗って生駒山に登る
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近鉄生駒駅の近くから伸びている 生駒山の山頂までを結ぶ生駒ケーブルに乗りに行ってきました🚡 大阪府と奈良県の府県境にそびえる生駒山地の山々は大阪の街からよく見え、その生駒山地の主峰である生駒山には以前から行ってみたいと思っていました。生駒山の山頂までは近鉄生駒ケーブルに乗車して行くことができるということで、休日を利用して乗りに行ってきました。
大阪から近鉄の列車に揺られてやってきたのは、近鉄生駒駅。大阪府と奈良県を隔てる生駒山地を東西に貫く長いトンネル、生駒トンネルを抜けてすぐのところにある駅で、近鉄奈良線・近鉄けいはんな線・近鉄生駒線が乗り入れる大きな駅です。
そんな近鉄生駒駅の南口を出てすぐのところにあるのが、近鉄生駒ケーブルの鳥居前駅。生駒ケーブルは、この鳥居前駅から途中にある宝山寺駅までの区間と、宝山寺駅から生駒山上駅までの区間の 2 つの区間に分かれていて、最初に開業したのが鳥居前駅から宝山寺駅までの区間。
その歴史は古く、鳥居前駅から宝山寺駅までの区間が開通したのは今から 100 年ほど前の大正 7 年のこと。日本で初めてのケーブルカーとして誕生した生駒ケーブルは、その後輸送力増強のため最初につくられた宝山寺 1 号線の北側に宝山寺 2 号線が増設され、複線化。
昭和 4 年には生駒山上で遊園地が開業し、宝山寺駅から生駒山上駅までの区間(山上線)が開通。宝山寺駅で乗り換えをして生駒山上駅まで行くことができる、現在の生駒ケーブルの姿となりました。
歴史を感じる駅構内を歩き、自動券売機で紙の切符を購入。券売機の前には駅の係員さんがいらっしゃって、訪れた人たちに「こちらできっぷを購入してください」と丁寧に案内をされていました。
生駒ケーブルは Suica や ICOCA などの IC カードには対応しておらず、自動券売機も支払い方法は現金のみ。鳥居前駅から生駒山上駅までは片道 500 円です。往復分のきっぷをまとめて購入することができるようだったので 2 枚の紙のきっぷを受け取り、さっそく駅のホームへと向かいます。
ホームに停車していたのは 1 両だけの列車。座席はほぼ全てが埋まっていて、立ち客も数名。乗客の半分近くが外国人観光客で、大阪の繁華街や奈良公園など主要な観光エリアだけでなくこのような場所にもわざわざ足を運ぶ人が多いことに驚きました。
進行方向前寄りのほうは混んでいましたが後ろの方は比較的空いていたので、走行中に後ろを見下ろせる窓の近くに陣取ることに。
定刻になり、列車は鳥居前駅を出発。ガタゴトと揺れながら、ゆっくりと前へと進んでいきます。生駒ケーブルの鳥居前駅から宝山寺駅までの区間で線路の坂道角度が最も急なところは 13 度だそう。この急な傾斜を、宝山寺駅にある運転室から巻上機を動かし、車両に繋がれている 1 本の鋼鉄製ロープをぐるぐると巻き上げることで列車を動かしています。
丈夫な 1 本の鋼鉄製ロープに 2 台のケーブルカーが繋がれていて、鳥居前駅と宝山寺駅の中間付近で山の上から降りてきた列車とすれ違い。
線路の周囲には住宅が多く、住民の方らしき人が歩いていたり、車が走っていたり。この風景だけ見たら、パッと見は都市部を走っている普通の列車っぽい。
鳥居前駅を出発してからおよそ 5 分ほどで途中の宝山寺駅に到着。生駒山上駅へはこの駅で乗り換えることになります。駅名の通り、駅の近くには 寶山寺 というお寺があり、生駒の聖天さんと呼ばれ親しまれているそう。観光で訪れる人も多いのか、同じ列車に乗っていた外国人観光客の大半がここで駅の外へと出ていかれました。
列車を降り、改めてここまで乗ってきた車両を見てみると、車両自体がなんだか斜めになっています。床は平らだけれど、天井部分は傾いているし、窓も階段状。それだけ急な坂道を登ってきたということが分かります。
続いて乗車するのは、宝山寺駅から生駒山上駅へ向かう列車。ホームが階段になっていることからも分かるように、ここからはさらに急な坂を登っていくことになります。
宝山寺駅から生駒山上駅の間で運行されている車両は「ドレミ号」と「スイート号」の 2 種類があり、今回乗車したのはスイート号のほう。ケーキのようなお菓子の家のような、なんだかかわいらしい見た目の車両で、これから遊園地のある山の上へと向かうんだぞというワクワクした気持ちにさせられます。
定刻になり、列車は宝山寺駅を出発。駅を出ると、車内にはザ・遊園地といった雰囲気の賑やかで楽しげな音楽が流れ出しました。途中で山の上から降りてきたドレミ号とすれ違う際には「もうすぐドレミ号とすれ違うよ!手を降って!」的な感じのアナウンスが流れるなど、生駒ケーブル自体が遊園地のアトラクションかのよう。
出発してすぐのところにあるトンネルを抜けると、車窓からは奈良の街が一望できます。
宝山寺駅を出発してからおよそ 7 分ほどで、列車は終点の生駒山上駅に到着。遊園地のそばにある駅ということもあり、なんだかテーマパーク内にある施設のような外観の駅舎で、凝った見た目をしています。
初めての生駒ケーブル乗車でしたが、ずっと山の景色が続くのかと思っていたら意外と住宅街が続いている場所も多く、鳥居前駅から宝山寺駅の間と、宝山寺駅から生駒山上駅の間とで見える景色が全然違ったのが意外でした。遊び心溢れる車両とアナウンスで、楽しい気分になれたのも良かったです。