美肌の湯として知られる玉造温泉旅行記
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日本最古の湯のひとつとも言われている、島根県松江市にある 玉造温泉へ旅行してきました♨️ 美肌の湯としても知られる玉造温泉の歴史は古く、西暦 733 年に編纂された「出雲国風土記」にも賑わっている様子や美肌作用のことが記されているのだとか。
そんな歴史ある玉造温泉へ、ゴールデンウィーク直前の平日に休みを取って旅行してきました。
大阪から新幹線と特急列車を乗り継いでやってきたのは、JR 山陰本線の 玉造温泉駅。玉造温泉駅へは 新大阪駅から山陽新幹線で岡山駅へ と向かい、そこから 伯備線を走る特急やくも号 に乗り込んでやってくることができます。やくも号は全車指定席、また玉造温泉に停車するのは一部の列車となっているため注意が必要です。
連休から少しずらしての旅行ということで、旅行客と思われる人の姿はまばら。ゴールデンウィーク期間中や温泉が気持ちいい冬休みの時期などは、駅も混雑するのでしょうか。
列車を降りてホームから改札へと向かう途中の階段に、いかにもな温泉地っぽいイラストが描かれているのを見て「ああ、温泉旅行に来たのだな」と改めて思います。子供の頃に家族で温泉旅行をしたことは何度かあるけれど、一人で温泉に行くというのは初めて。気楽な一人旅は決して嫌いではないけれど、なんだかちょっぴり寂しいような気もしてきます。
今回私が宿泊したのは「玉造国際ホテル Rivage Choraku」というホテル。玉造温泉で唯一 宍道湖のほとりにあるホテル で、駅から玉造温泉街のある方向とは逆方向に 15 分ほど歩いた場所にあります。
玉造温泉駅から温泉街までは歩いて 30 分ほどと結構距離があることを考えると、ホテルから温泉街まではかなり離れていますが、こちらのホテルは 駅・ホテル・温泉街の 3 箇所を結ぶシャトルバスを運行 していて、宿泊者は無料で利用できるのが大きなポイント。
駅からもシャトルバスに乗車できますが、バスを待っている間に歩いて行けそうだったのと、コンビニで飲み物を調達したかったので、歩いてホテルへと向かいました。駅の北側は細い道が続き、一軒家が立ち並ぶ住宅街といった雰囲気。横断歩道が見つからなくて思ったよりも時間がかかるなどハプニングもありつつ、無事ホテルへと到着しました。
フロントにてチェックインをし、受け取った鍵は最上階である 3 階のお部屋のもの。エレベーターに乗って移動し、鍵をガチャガチャと開けて中に入ると 目の前には宍道湖の景色 が広がります。お部屋も広く、パソコン作業ができそうなデスクに 2 人掛けのソファと大きなベッド。あとなんかベッドの隣に鎮座する、鈍く黒光りしているバランスボールみたいなやつ。
普段の 1 人旅では、予算をケチるために大抵ビジネスホテルにばかり泊まるので、窓からの開放的な景色と合わせて「本当にここに 1 人で泊まっていいのか…?」という気持ちになります。
水辺ということで「窓を開けると虫が入ってくるから開けないでね」的な注意が書かれており、虫が大の苦手な私は首がもげそうなほど頷きつつ、ガラス越しに宍道湖の景色を堪能。島根県北東部に位置する宍道湖は、およそ 1 万年前に形成されたといわれている湖で、全国で 7 番目に大きい面積を誇ります。
まるで海のようですが対岸や左右には山や街が見え、これが湖であることを認識させられます。デカい。
日が沈む前にお部屋を出て、1 階にあるレストランへと向かいます。いつもの旅行では「周辺を散策して気になるお店で食事がしたいから」と、素泊まりもしくは朝食のみとすることが多いのですが、今回は温泉旅行ということでホテルにてお夕食。
地元の食材をたくさん使った和食会席で、見るからに豪華な内容。会席料理って何年ぶりに食べるかも分からないくらい記憶になくて、スマホでひたすら食べ方を検索しながらいただきました。
時間をかけすぎてお料理が冷めつつあることに気づき「わーーー!」となりながら慌てて掻き込むことになったので、最後までマナー良く…とはならなかったのはちょっぴり反省ポイント。よほど汚い食べ方をしなければおいしくいただくことが一番大事だとは思うけれど、できれば正しい知識を持って優雅に食事がしたいところ。こういうのって慣れなんですかね…。
お料理はホテルのお部屋と合わせて予約をしていましたが、それとは別にドリンクの注文もできるそうで、お酒の飲めない私はソフトドリンクの中から 「出雲生姜じんじゃエール」 をいただきました。島根県出雲地方で栽培されている出雲生姜を使ったジンジャーエールだそう。
すぐ隣にある大きな窓ガラスの向こうにはお部屋と同じく宍道湖が見え、食事をし始めて少し経った頃に目の前に広がる夕日の景観はまさに絶景。日本百景のひとつに選ばれているというのも納得の美しさです。
お食事の後はホテルの売店をぶらり。チェックイン時に売店で使える割引券をいただいたので、せっかくならこちらでお土産を買っておこうという魂胆。
うろうろとしているときに興味をひかれたのは地元の作家さんの作品が置かれている棚。こういう人の手のぬくもりが感じられる工芸品って見てるだけで楽しいからすきだなーと思いながら見ていたら、舟木木工所 の「くみこころ」という作品を一目惚れして一晩悩んだ末に購入していました。
置き飾りとしてだけでなく、コースターとしても利用できるとのこと。オシャレすぎる。どうやら売店でこうした地元の作家さんの作品を購入される方はほとんど居ないようで、お会計の際にやたら感謝をされました。あと珍しすぎたのか「この商品、どこから持ってきました…?」って聞かれた。
お部屋に戻って少しゆっくりと過ごした後、フロントに鍵を預けて外へと繰り出します。駅に到着した際には乗らなかった、駅・ホテル・温泉街の 3 箇所を結ぶシャトルバスが夜の時間も出ているとのことだったので、バスに乗って温泉街へと向かいます。
この時間から温泉街へと向かう人が少ないからなのか、平日でそもそも人が少なかったからなのかは分かりませんが、バスの乗客は私ひとりだけ。そのお陰で、運転をしてくださっていたホテルの方と色々おしゃべりができたのはかなり楽しくて良かったです。私の出身である石川県の金沢じゃないところもご存知で、なんだか嬉しい気持ちになりました。
バスに揺られること 10 分ほど。やってきたのは玉造温泉の温泉街。車を降りてすぐ目の前に広がる、いかにも温泉街という雰囲気の景色に目を奪われます。
中央に流れるのは玉湯川、その左右には細い道があり、両岸を結ぶいくつもの橋が架けられています。架けられている橋は非常にバリエーション豊かで、玉造温泉で一番大きな勾玉が付いた「玉造温泉といえば!」のフォトスポット「まがたま橋」や、夕方になるとキラキラと灯りがともる「きらきら橋」など様々。
玉湯川には 川のせせらぎを楽しみながら足湯で温まることができる スポットが何箇所かあり、少し冷える夜の時間帯ということもあってか常に数名の観光客が足を湯につけ談笑する姿が見られました。
川の両側にある道のうち、片方は自転車・歩行者専用道路となっていて、温かな光を放つ様々な灯籠のようなものが並びます。その幻想的な光景を眺めながら歩いていると、聞こえてくるのはそばを流れる川のせせらぎとカランコロンと下駄の音。景色も良いし、響き渡る音も良い。
幻想的な灯籠が並ぶ中には、地面に照らし出された様々な影絵や、神話の世界に触れることができる「神話の情景」オブジェという日本神話の内容と共に鎮座する神様のオブジェなどがあり、夜の温泉街を神秘的な空間にしています。
散策しているときにたまたま見つけた「ややおせっかいな看板」が、個人的にすきだなーというお気持ち。全部で 9 つあるのかな?と思うのですが「玉造のおいしい空気無料!!」や「トイレの神様はこちらです。」など思わず笑顔になるような一言が書かれています。
温泉街をずっと南へと歩いていくと見えてくるのは、玉作湯神社という玉と湯の神々を祀る神社。夜だし思ったよりも暗いし人も居ないしで中に入る勇気が出せなかったのですが、境内にある真玉は触れて祈ると願いが叶うとされ多くの参拝者が訪れるパワースポットなのだとか。
神社の正面には真っ赤な橋が架けられていて、橋の上から記念撮影をして鳥居が写真に映り込んでいると恋が叶うと言われているそう。彼女居たこと無いんですけど、そんな私でも鳥居が映り込んだら恋愛できますかね?
時刻は 20 時半過ぎ。温泉街には旅館の他に勾玉ショップや、美肌の湯と言われる玉造温泉の温泉水を配合した化粧品を取り扱うお店、飲食店などが並びますが、その大半がすでに営業時間を過ぎていました。そんな中で唯一と言ってもいい明かりのついているお店が 「珈琲屋 Yori 荘」 というコーヒー屋さん。
温泉街の雰囲気にも馴染むお洒落な外観で、コーヒーだけでなくビールなども取り扱っているようでした。
かなり暖かくなってきたとはいえ夜は思っていたよりも冷え、ちょっぴり寒さを感じながらの温泉街散策だったので、こちらのお店で温かいカフェラテをいただきました。丁寧に淹れていただいたおいしいカフェラテを飲みながらホッと一息、そのままのんびり温泉街を歩く時間が最高に良かったです。
温泉街をうろうろ散策した後は、再びシャトルバスに乗ってホテルへ。温泉街へと向かう際にバスを運転してくださった方と同じ方が迎えに来てくださったので、やはり楽しくお話をしながらの移動となりました。
ホテルへと戻った後はメインとなる温泉。最後になってしまいましたが、温泉旅行で温泉に入らないというのは意味不明すぎるのでやや遅めの入浴です。
今回宿泊したホテルでは日帰り入浴も可能で、チェックインの際や売店を物色中などにもちらほらと入浴だけしに来ている方が見られました。なるべく人の少ない時間帯に温泉を楽しみたかったので、チェックイン時に空いている時間をお聞きしたところ、日帰り入浴の時間が終わった後に宿泊客だけが利用できる時間があるとのことだったので、遅めの時間の入浴を選択しました。
浴場には私以外に人の姿はなく、貸切状態。途中で 1 名入ってこられましたが、タイミング良く同じ湯に浸かることはなく。温泉の美肌効果…は正直なところあまり良く分からなかったのですが、久しぶりの温泉でのんびり温まることができてとても良かったです。
島根県の玉造温泉へ行ってきましたが、雰囲気の良い温泉街に宍道湖の景色とおいしい料理、そして地元の方のぬくもりを感じた素晴らしい温泉旅となりました。これまではあまり「温泉地へ旅行しよう!」ということはしてこなかったのですが、温泉って良いものだなと感じました。
次に訪れる際は温泉街にある旅館に泊まって、沿道のお店が空いている明るい時間に散策したり、神社にお参りをしたりしたいです。