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大国主大神を祀る出雲大社を巡る

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ひらたけ

全国に数多ある神社の中でも非常に有名で、多くの人が訪れる 島根県出雲市の出雲大社へ行ってきました⛩️ 神話の国、神々の国と呼ばれる出雲の地にある出雲大社は、大国主大神を祀っている神社で 日本最古の歴史書と言われている『古事記』にも出てくる ほどの歴史ある神聖な場所。

先日山陰方面へ旅行した際に、以前から訪れてみたいと思っていた 出雲大社 に参拝に行ってきました。


出雲大社のある出雲市へは 列車に乗って片道 4 時間 ほど。新大阪駅から山陽新幹線に 50 分ほど乗車して岡山駅へ、そこから伯備線や山陰本線を走る特急やくもに乗って JR 出雲市駅まで 3 時間という長旅。JR 出雲市駅からは一畑電車の 電鉄出雲市駅 から北松江線と大社線を乗り継いで、出雲大社前駅 へと向かうことになります。

費用はかかってしまいますが、伊丹にある 大阪国際空港 から 出雲縁結び空港 への飛行機が出ているので、そちらで向かうこともできるようです。

出雲大社の大鳥居の写真

一畑電車の出雲大社駅を出ると、綺麗な淡い灰色をした石畳によって整備された通りが南北方向へと伸びています。この道は 「神門通り」と呼ばれる通り で、出雲大社の正門まで続く約 700m の表参道。北端は出雲大社の正門で、南端には白くて大きな鳥居が建てられています。

出雲大社へと向かう前に、まずは大きな鳥居の元へ。宇迦橋という橋のそばに建てられた大鳥居は、大正 15 年に大正天皇御即位の大典を記念して寄進されたものだそうで、高さは出雲大社の本殿よりも少しだけ低い 23m、幅は 14m もある巨大なもの。

鳥居の南にある宇迦橋は、訪れたタイミングでは老朽化に伴う架替え工事の真っ最中。大鳥居と神門通り一直線になるように架けられていることが分かります。神門通りと出雲大社までを真っ直ぐ見通してみたい気持ちになる新しい宇迦橋の完成は、2 年後の令和 9 年度を予定しているそうです。

神門通りの写真

工事中ということで、大鳥居をくぐることはできず迂回路から眺めながら横を抜けて、再び神門通りへ。訪れたのが平日ということもあって大混雑という状況ではありませんでしたが、それでもちらほらと参拝客の姿が散見されます。

通り沿いにはお土産物を扱うお店や飲食店が軒を連ね、いかにも観光地といった雰囲気の通り。木造で瓦屋根のなかなか歴史がありそうな建物もあれば、木のぬくもりを感じつつもモダンな雰囲気を漂わせる比較的新しめの建物も並んでいます。

この辺りでは 島根県のご当地グルメとしても知られる「出雲そば」 という蕎麦が有名だそうで、出雲そばと書かれた看板を掲げるお店がたくさん見られました。また、オシャレなスイーツを販売するお店も多く、歩いている途中でちょいちょい視線を奪われます。

勢溜の大鳥居の写真

地元発祥の和スイーツだという「ぜんざい」のお店も多く、甘味を楽しみながら休憩中の参拝客もちらほら。今回出雲大社を訪れる前日に松江市の玉造温泉に宿泊していたのですが、そちらのホテルの方に「明日は出雲大社に行く予定なんですよ~」とお話をした際に「このお店のぜんざいが美味しい」と紹介していただいていて、ぜひ食べたいと思っていました。

残念ながら、紹介していただいたお店には臨時休業の案内が貼られていて、ぜんざいを食べることは叶わず。次に訪れるときにはリベンジしたい…。

そんなちょっぴり悲しい出来事もありつつ、石畳の上を歩いていくと見えてきたのはこれまた大きな鳥居。「出雲大社」と書かれた石碑と共に建てられた高さ 8.8m ある 鋼管製の鳥居は「勢溜(せいだまり)の大鳥居」と呼ばれるもの で、こちらが 出雲大社の正門 にあたります。

出雲大社の参道の写真

最初に見た「宇迦橋の大鳥居」が一の鳥居で、この「勢溜の大鳥居」が二の鳥居。この鳥居の先はいよいよ出雲大社の境内。鳥居の前で一礼しつつ鳥居をくぐると、途端に神聖な空気を感じられるようでなんだか身が引き締まるような思いがしました。

勢溜の大鳥居を抜けた先に続いている参道は、全国でも珍しい下りの参道。足元には石畳が整然と並べられ、祓橋(はらえのはし)という橋へと伸びています。

出雲大社の松の参道の写真

祓橋を渡ると、正面に見えるのは三の鳥居。ここからは松の木が生い茂る道を歩いていきます。三の鳥居の左右に石畳が敷かれていたので、鳥居に軽く頭を下げつつ石畳の上を通って先へと進みます。

どこまでも続く松並木は美しいもので、神域だからというものあるのか、その緑のトンネルを歩いているだけでなんだか心が安らいでいくようです。松の参道の外側には芝生が広がっているエリアがあり、木陰でほんのり薄暗くなっている参道と、陽の光で明るく照らされた芝生の対比が美しく感じました。

出雲大社のムスビの御神像の写真

いよいよ出雲大社の建物が見えてくるというところで 右手側に見えてきたのは「ムスビの御神像」 という像。こちらは出雲大社が祀っている大国主大神が「幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)」を拝戴される由縁を象徴したものだそう。大国主大神はこの幸魂奇魂から「おかげ」を受け取って神性を養い、「ムスビの大神」として崇められるようになりました。

こういった話は古事記に記されているそうで、日本の神話をあんまりよく知らない私は一度ちゃんと読んでみたいなという気持ちに。現代語訳された読みやすい本とかあるのかな?

出雲大社の拝殿の写真

松並木を抜けてやってきたのは、出雲大社の拝殿。一般的な他の神社では「二礼二拍手一礼」ということで、2 回おじぎをして、2 回手を打って、最後にもう一度おじぎ…という流れですが 出雲大社での参拝は「二礼四拍手一礼」 となっています。

出雲大社の御本殿と八足門の写真

拝殿で「二礼四拍手一礼」をした後は、ぐるりと歩いて八足門と呼ばれる門の前へ。ここが一般人が御本殿に一番近づける場所で、こちらでも「二礼四拍手一礼」と参拝します。八足門と御本殿の間には「楼門」があり、正月五カ日には八足門が開放されて楼門前まで入ることができるのだとか。

出雲大社の境内の写真

八足門を参拝した後は、御本殿の周りをぐるりと歩きます。御本殿の周りは中に入ることができないように覆われていて、その外側に石畳が敷かれています。

道中には「お稲荷さん」として信仰されている 宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)が祀られている「釜社(かまのやしろ)」 や、全国の神々が出雲に集まる神在月に 神々のお宿となる社「東十九社」「西十九社」 など、神様の存在を感じられるものがたくさん並びます。

出雲大社の素鵞社の写真

本殿の裏、北側には 「素鵞社(そがのやしろ)」という社 が建てられていて、御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)。出雲大社が祀っている 大国主大神の父神 とされていて、石段を上った高い位置に祀られています。

石段を上った先には砂が置いてあり、出雲大社から少し西へ進んだところにある国譲り、国引きの神話で知られる「稲佐の浜」という場所から持ってきた砂と交換で素鵞社の砂をいただくことができるのだそう。

出雲大社の本殿裏の写真

素鵞社の正面、本殿の裏にはウサギの石像が佇んでいました。山陰土産の定番「因幡の白うさぎ」の元にもなった、古事記に記されている「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」は、出雲大社が祀る大国主大神が赤裸となり苦しみ悩んでいるウサギに出会い助けたというお話。

そんな深い関わりがあるウサギたちの像が境内の様々な場所にあるそう。「ムスビの御神像」から松の参道を挟んだ反対側には「ご慈愛の御神像」という大国主大神とウサギの青銅の像があり、その他にも 現在 66 羽のウサギの石像が存在している らしい。めっちゃ居る。

今回は時間が足りず広い境内全てを散策することはできませんでしたが、ウサギを数えながら境内を歩いてまわるのも楽しそうです。


初めて訪れた出雲大社でしたが、非常に広い境内と神聖な雰囲気にずっと圧倒されていました。日本の神話を知識として知っていると、より興味深く見て回れるのだろうなあというところで、ぜひ古事記とかを読んでみたいと思いました。

思ったよりもぐるりと見て回るのに時間がかかってしまい、帰りがバタバタとしてしまいました。次に訪れる際にはもっと時間に余裕を持って、今回食べられなかったぜんざいを食べたり、先に稲佐の浜を訪れて砂を持ってくるなどしたいところです。