Hiratake Web ロゴ

阪神・淡路大震災の災害を受けた神戸にあるみなとのもり公園を歩く

投稿した日
更新した日
書いたひと
icon
ひらたけ

たくさんの船が行き交う神戸港。その神戸三宮フェリーターミナルや神戸ポートターミナル近くにある 神戸震災復興記念公園へ行ってきました⛲️ みなとのもり公園の愛称で呼ばれるこの公園がある神戸は、1995 年に発生した阪神・淡路大震災によって甚大な被害を受けました。

そんな震災からの復興を記念する公園「みなとのもり公園」を、ぐるりと歩いてきました。


JR や阪急、地下鉄などの各三宮駅から、神戸最大の繁華街である三宮のメインストリートであるフラワーロードを港方面に歩いて 15 分ほど。歩道橋をわたり阪神高速や国道のバイパス道路などの高架の下をくぐって、みなとのもり公園 へとやってきました。

みなとのもり公園の案内看板の写真

JR 貨物の神戸港駅の跡地に整備されたみなとのもり公園は、面積約 5.6ha の広い公園。みなとのもり公園という名称は市民から愛称を募集して決まったもので、神戸市のウェブサイト等では 「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)」と表記 されています。

神戸震災復興記念公園という名前の通り、1995 年に発生した阪神・淡路大震災からの復興の記念事業として整備されている公園。

巨大地震の発生後に受けた、全国世界各地からの多くの支援。それらを通じて学んだ、人と人とのつながりやボランティアの大切さを未来の子供たちへとつなげていくために、みんなでつくり続けていく公園。それが「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)」なのだそう。

みなとのもり公園のニュースポーツ広場の写真

フラワーロードに面した、みなとのもり公園の「税関口」から公園内に入ります。上を見上げると何本もの高架の道路が複雑に入り組み、積み重なっているところに、海と山に挟まれた限られた土地を有効活用しようとする港町・神戸らしさを感じます。

まず見えてくるのは「ニュースポーツ広場」という、高架道路の下を活用すべく整備された場所。訪れたタイミングでは一部工事中の場所がありましたが、広場内には スケートボードやバスケットボールなどが楽しめる設備が用意 されていました。

私が公園を訪れたこの日は朝にかなり強めの雨が降っていて、歩いている間も雨は降っていないけれど厚い雲が空を覆っているような状態。そんな悪天候の中でもスポーツを楽しんでいる方の姿がちらほらと見られ、活気がありました。

みなとのもり公園の芝生広場の写真

ニュースポーツ広場の横を歩いていくと、見えてきたのは公園の敷地の大部分を占める広い芝生広場。その広さは 1.2ha あり、非常時には避難場所として活用されます。芝生広場の外側には歩道が整備され、内側には ランニング用の特殊な舗装がされたジョギングコース があります。こちらは 1 周約 460m あるそう。

ジョギングコースを走っている人の姿は多く、部活動中と思われる高校生くらいの集団からスポーツウェアを着た大人の方まで様々。走っている人同士がぶつからないよう何かしらルールがあるのか、全員反時計回りに走っていました。

みなとのもり公園の安全の鐘の写真

赤い色に塗られたジョギングコースの外側を、走っている人とは逆向きの時計回りにぐるりと公園内を歩いていきます。少し歩いた場所に設置されているのが「安全の鐘」という鐘。この 安全の鐘は JR 貨物の神戸港駅時代に使われていたもの で、隣に設置されたレールと共に以前貨物駅だった時代を後世に伝えています。

鐘の上に取り付けられた時計が指し示す時刻は「5 時 46 分」。この時刻は阪神・淡路大震災の巨大地震が発生した時刻です。

みなとのもり公園の森づくりの案内の看板の写真

公園の北側にあるのは苗圃という施設。みなとのもり公園で行われている市民活動の中には「森づくり」「芝生づくり」「花苗づくり」があり、その活動の拠点施設となっています。近くには「いっしょに森づくりしませんか」と書かれた看板も。

その隣に広がっているのは「語り継ぎ広場」という広場で、草木が生い茂る中に震災や復興に関係するものが配置されています。神戸復興を願うシンボル曲だという「しあわせ運べるように」という歌の歌碑も設置されていました。

みなとのもり公園の備蓄倉庫の写真

芝生広場の東側を歩いて、公園の南東エリアへ。ここには 「展望の丘」という高さ約 4m の丘 があり公園全体を見渡すことができるようになっています。

非常時には避難場所になっている芝生広場と同様、こちらの展望の丘にも非常時のための機能があります。この 展望の丘の地下には非常時に必要な物資を備蓄する倉庫が設置 されていて、少し回り込んだところには扉があるのが確認できます。

みなとのもり公園の展望の丘からの景色の写真

展望の丘からは緑豊かな公園の景色を眺めることができます。こうして公園内で震災に関するモニュメントや復興の取り組みなどを見てから見下ろすと、なんだかこの「みなとのもり公園」が愛おしく感じられるような、そんな感情が湧いてきます。


大きな地震を乗り越えて、現在も日本を代表する大都市として多くの人々が暮らす神戸。その街なかにある大きな公園「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)」を歩いてきましたが、神戸の人々の想いが感じられる素敵な場所でした。これからも市民に愛される、神戸のシンボルとなる場所であってほしいと願うばかりです。