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和歌山市立博物館へ行ってきた

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ひらたけ

南海電鉄和歌山市駅から歩いて 5 分ほどのところにある 和歌山市立博物館へ行ってきました🏛 旧石器時代や縄文時代といった古代から、徳川御三家のひとつ紀州徳川家が治めていた江戸時代、そして近現代までの和歌山の歴史についての様々な展示がされている博物館です。


ちょっぴり古そうな外観と、本当に営業中なのか不安になる入り口の薄暗さに躊躇しつつ、建物内へと入ってチケットを購入。訪れたタイミングでは特別展や企画展の開催はなく常設展のみで、入館料は 100 円。博物館というと、普通に 1,000 円近く支払わないといけないイメージがありましたが、その安さに驚きました。

常設展入館券と一緒に「和歌山城天守閣・わかやま歴史館 2F 歴史展示室共通入場券割引券」と「まちなかミュージアム 和歌山市立博物館入館証」という、それぞれの施設で割引を受けることができるチケットも手渡されました。他の施設も巡るのであればかなりお得。100 円の入館料は実質タダみたいなものです。

和歌山市立博物館の写真

チケットを片手に、さっそく 1 階の常設展示室へ。入り口には「撮影・公開 OK」との案内があり、撮影不可のマークが付いている資料以外は撮影したり SNS 等に公開したりしても良いとのこと(非営利目的に限る)。私は歴史に詳しいわけでも記憶力が良いわけでもないので、後で見返すことができるように説明が書かれた展示を撮影できるのは助かります。

写真撮影不可のマークが付いている展示がちょいちょいあり、見落としてしまっていて撮影後に慌てて削除するということが何度かあったので、写真を撮る方は注意が必要かも。

和歌山市立博物館の展示の写真

和歌山市立博物館の常設展示室では、原始(旧石器、縄文、弥生、古墳時代)から古代(奈良、平安時代)、中世(鎌倉、室町時代)、近世(江戸時代)、そして近現代(明治、大正、昭和時代)までのそれぞれの時代の和歌山の歴史についての展示がされています。

100 円という破格の値段で見ることのできる展示ですが、その内容はかなりの充実っぷり。入ってすぐの古墳時代の展示では、岩橋千塚古墳群という和歌山市にある古墳群を構成する古墳のひとつである「天王塚古墳」の実寸大復元模型があり、亡くなった人を入れる「玄室」という部屋の広さを実際に体感することができます。

和歌山市立博物館の展示の写真

弥生時代中期のものだという太田・黒田遺跡の竪穴住居を 5 分の 1 サイズで復元したものが置いてあったり、縄文時代の遺跡から出土した石器類や貝殻、動物の骨など、遠い昔にこの地で人々が暮らしていたことを示す品々が並べられていたり。

約 2,100 年ほど前に作られた弥生土器をモデルにした「土器パズル」なるものも用意されていて、発掘された時には割れてバラバラになっていることが多い土器を組み立て、元の形に復元する、という作業を簡易的にではありますが体験することができるコンテンツも用意されていました。

和歌山市立博物館の展示の写真

様々な展示を見ていく中で、意外だったのは鉄砲の展示が多かったこと。紀州は鉄砲にゆかりが深いらしく、鉄砲の伝来後、早い時期から鉄砲を保有していたのだそう。多数の鉄砲を保有した雑賀衆は、織田信長や羽柴秀吉らを苦しめたようです。

和歌山市立博物館の展示の写真

そして展示は近世(江戸時代)エリアに入り、和歌山の歴史を語るうえでは決して外せない紀州藩の内容へと移ります。紀州藩は徳川御三家のひとつで、紀伊家は尾張藩を治めた尾張家と共に将軍に次ぐ官位・官職を与えられていました。

紀州藩の 5 代藩主徳川吉宗は、その後江戸幕府の第 8 代将軍となり、以後は吉宗の子孫が代々徳川宗家を継承し紀伊家が将軍家となったのだそう。

展示エリアの中央には江戸時代後半の和歌山城を 500 分の 1 で再現した模型が展示されていて、御三家紀州徳川家の立派な居城の全体像を眺めることができます。身分の高い家来の人たちは内堀の北側と東側で暮らしていたようで、模型でも北側(写真の奥の方)と東側(写真の右の方)の屋敷が大きいことが分かります。

和歌山市立博物館の展示の写真

常設展の後半には明治、大正、昭和時代の品々が並べられていました。黒電話に全く薄型ではないテレビ、様々な料理が並べられたちゃぶ台という、昭和の暮らしを再現したコーナーが用意されていたり、昭和 20 年 7 月 9 日の和歌山大空襲からの復興を示す写真や資料の数々が並べられていたり。

人力車の隣には「明治二六年」と書かれた人力車の運賃表が展示されていて、和歌山市の中心・京橋から周辺の街まで人力車に乗って移動できたことを示していました。岸和田や堺、そして大阪も載っており、鉄道でも 1 時間以上かかる距離を人が引っ張る車で移動することができたというのは驚きです。


和歌山市立博物館へ行ってきましたが、入館料 100 円という値段からは想像もできないほどの充実した展示内容で驚きました。私はあまり歴史には詳しくないのですが、そんな私でも楽しめるような工夫や分かりやすい説明がされていて良かったです。