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大宮にある鉄道博物館へ行ってきた

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ひらたけ

鉄道のまちとして知られる 大宮にある鉄道博物館へ行ってきました🚂 埼玉の観光地として真っ先に名前があがることの多い定番スポットで、日本にたくさんある鉄道関連の博物館の中でも 京都鉄道博物館リニア・鉄道館 と並び規模が大きいものとして知られています。


北海道・東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線に、JR 在来線、東武アーバンパークラインなど様々な鉄道会社の路線が乗り入れる巨大なターミナル駅である大宮駅から、ニューシャトル の列車に乗って 1 駅。駅前のビルの周りをぐるりと走ってからスピードを上げていく列車で向かうのは 鉄道博物館駅

名前の通り 鉄道博物館 の最寄り駅で、改札を出てすぐ目の前には鉄道博物館の看板が設置され、近くには列車の車輪などの展示がいくつかされていました。

鉄道博物館の写真

入口の手前には券売機が設置され、こちらで入館券を購入してから中へと入ります。鉄道の博物館らしく、支払いには交通系 IC カードの利用が可能。今回私は通常料金の 1,600 円を支払いましたが、前日までに鉄道博物館のウェブサイトやコンビニ等で購入しておくと 1,500 円で中へ入ることができるようです。

係の方に入館券を切り取ってもらって、さっそく中へ。博物館は非常に広く、順路なども示されていなかったので一体どうやって回れば良いのか迷うほど。近くに置いてあった館内のマップが描かれた冊子を見てみると、館内は主に「車両ステーション」「科学ステーション」「仕事ステーション」「未来ステーション」「歴史ステーション」に分かれているようでした。

鉄道博物館の1号機関車の写真

どこから見に行くか悩みましたが、まず最初はおそらくメインの展示内容であろう「車両ステーション」から見て回ることに。この「車両ステーション」は実物の車両が多数展示されているエリアで、展示されている車両の数は 36 両。

足を踏み入れて最初に目の前に現れるのは、なんとも歴史を感じる古そうな見た目の蒸気機関車。こちらは国の重要文化財にも指定されている「1 号機関車」で、1872 年に新橋と横浜の間で開業した日本最初の鉄道で使用されていたものだそう。

開業当時は日本で蒸気機関車を製造することができず、イギリスから 10 両の蒸気機関車を輸入。その 10 両の中で最初に完成したのがこちらで展示されている 1 号機関車とのことです。ここから日本の鉄道の歴史が始まったのだと思うと、なんだか感慨深いですね。

鉄道博物館の寝台列車の写真

隣には日本で最初に鉄道が開業した当時の客車の展示も。展示されているものは 1870 年代後半に京阪神間で使用されたとされる客車を復元したものだそうで、こんなマッチ箱のようなイギリススタイルの小さな客車が、現在私が住んでいる大阪の地を走っていたということになります。

他にも様々な車両が展示されていて、中には「人車」という車両も。明治の終わり頃から大正にかけて関東や東北地方で多く使われ、鉄製のレールの上に載せた客車や貨車を人の力で押して走ります。展示されている車両は宮城県の松山町というところで使われたものとのこと。

また、東京と博多を結ぶ寝台特急「あさかぜ」という列車の姿もありました。今では東海道・山陽新幹線ののぞみ号に乗車すれば、東京から博多までは 5 時間ほど。もちろん非常に長い時間はかかりますが、列車の中で夜を明かさなければならないほどではなくなりました。こうした展示を見ているだけで、なんだか鉄道技術の進歩が感じられます。

鉄道博物館の貨物列車の写真

人を乗せて走る車両の他には、貨物列車の展示もありました。高速道路などのインフラが急速に整備され徐々にトラックによる輸送へとシフトしていった鉄道貨物。しかし近年では、地球温暖化防止や省エネに対する機運の高まり、トラックドライバー不足の問題などから鉄道貨物輸送が注目されています。

トラックや船による輸送よりも地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少なく、運転士ひとりで一度に大量の貨物を運ぶことができる鉄道貨物への転換を図る「モーダルシフト」が、国や様々な企業によって進められているそうです。

展示されていた貨車には「コキ」や「レムフ」といったカタカナが書かれていました。これは運ぶ積荷の種類や積むことのできる量などを示す記号なのだそう。どの記号が何を指すのかという説明もあり、写真付きで分かりやすくまとめられていました。

説明を見ながら展示されている貨車を見てみると、「コキ」の「コ」はコンテナ車、「キ」は 25 トン以上という荷重トン数を示しています。「レムフ」の「レ」は冷蔵車、「ム」は 14 トンから 16 トンという荷重トン数、そして最後の「フ」は車掌室があり手ブレーキや車掌弁(非常ブレーキ)があることを表しているということのようです。

鉄道博物館の新幹線発車時刻表の写真

車両ステーションの奥には「0 系」と書かれた別の部屋へと続く入口があり、そちらへ向かうと世界初の高速鉄道車両としても知られる新幹線 0 系電車の展示がされていました。開業当時の様子の再現なのか、天井には「祝 超特急ひかり号」と書かれたくす玉が提げられていたり、ホームのようなものが用意されていたり。

車両の中に入って中を見ることや、椅子に座ることもできるようになっていました。座席の配置は現在の東海道新幹線と同じく 2 列 + 3 列。

現在の新幹線と同じところもあれば、全然違うところも。天井に取り付けられた新幹線の時刻表は 1 時間に 1 本から 2 本しか列車がないことを表しており、今では到底考えられないほどの少なさです。1 時間に 10 本以上もの列車が駅を出発していく様子を当時の人が見たら、きっととんでもなくびっくりすることでしょう。

鉄道博物館のステンドグラスの写真

1 階に展示された車両を見て回った後は、エスカレーターに乗って 2 階へ。上がってすぐのところにはキラキラと輝くステンドグラスが。鉄道博物館にあるステンドグラスということで、あちこちに蒸気機関車と思われる車両の姿を確認できます。

鉄道博物館の車両ステーションの写真

2 階からは 1 階に展示されている車両ステーションの列車の数々を一望できるようになっています。こうして多くの歴史ある車両たちが集まっているのを見ると、なんだか壮観です。

中央には車両の方向を変えるための「転車台」があり、時間になると(12:00 と 15:00)台の上にある蒸気機関車が汽笛を大きく鳴らして回転する様子を見ることができます。私が 2 階に上がってきたタイミングがちょうど転車台が回転する時間だったので、多くの人がカメラを構えて 1 階の転車台付近の様子を眺めていました。

周囲には鉄道車両の変遷を、年表や小さい車両模型の展示と共に紹介する展示がありました。

鉄道博物館のパノラマデッキから見た新幹線の写真

車両ステーションから階段を上っていった先にはパノラマデッキがあるということで、だいぶ微妙な天気がさらに悪化する前に先に屋上からの景色を見に行くことに。外へ出るとポツポツと小雨が降ってはいたもののまだ本降りではない感じで、5 人ほどの方が景色を眺めていました。

窓の外を覗いてみると、すぐ隣には新幹線の線路が。少し待ってみると列車が近づいてくる音が聞こえだし、現れたのは青と金に彩られた新幹線 E7 系・W7 系電車。東京と新潟を結ぶ上越新幹線、それから東京と金沢・敦賀を結ぶ北陸新幹線で使用されている車両で、石川県出身の私的には一番カッコいいと思っている新幹線です。

E7 系は JR 東日本の車両、W7 系は JR 西日本の車両。目の前を走っていった列車がどちらのものなのかは分かりませんし、そもそも新潟に行くのか北陸に行くのかも分からないですが、こんなにも間近に新幹線を見ることができるとは思っていなかったので、少し驚きでした。

鉄道博物館の「新幹線変形ロボ シンカリオン」の写真

正直私は鉄道について全然詳しくないので、鉄道博物館を見て回るとしてもそんなに時間はかからないだろうと考えていたのですが、車両ステーションとパノラマデッキを見て回った時点で時間がかなり厳しい状態に。他の展示エリアを駆け足で見て、最後にやってきたのは南館の 1 階。

東北新幹線で使われている車両が展示されている近くにあったのは『新幹線変形ロボ シンカリオン』というアニメのものらしいロボット。

実は、鉄道博物館を訪れる前に埼玉に住む知人に色々話を聞いていたのですが、「シンカリオンというものがあるんですよ」と言われており「一体なんだそれは」となっていたのですが、展示を見て「これのことか~」となりました。新幹線が変形して巨大ロボットになる…らしい。


2 時間ほどで大宮にある鉄道博物館を回ってきましたが、しっかり見ようとすると全然時間が足りなくて 1 回訪れただけでは到底回りきれないなと感じました。それくらい内容が充実していましたし、大して鉄道に詳しくない人間でも分かりやすい説明がされていて良かったです。

また、全国の鉄道駅などでスタンプを集めることのできる「エキタグ」というアプリを入れておくと、博物館内に複数設置されているスタンプを集めることができ、全て集めると認定証をもらうことができました(がんばって集めた)。

軽くしか見ることができなかった場所や、そもそも行くことができなかったエリアもあるので、機会があればもう一度、いやもう二度ほど訪れたいです。