京都最大の大伽藍がある東福寺を歩く
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京都にある 臨済宗東福寺派の大本山・東福寺へ行ってきました📿 京都と東京や名古屋などの大都市を直接結ぶ東海道新幹線も停車する、JR 京都駅 のひとつ隣の駅が「東福寺駅」ということもあって、名前を聞いたことはあるものの、これまで訪れたことがありませんでした。
いつも観光客で大混雑なイメージがある京都ですが、紅葉のシーズンも過ぎ、寒くて外に出たくなくなる今の時期なら空いているのではなかろうかということで、初めて東福寺を訪れその境内を歩いてきました。
東福寺 があるのは、JR・京阪電車の東福寺駅から歩いて 10 分ほどの場所。駅前には観光客向けと思われる飲食店が立ち並び、多くの人で賑わう通りを抜けて歩いて向かうことになります。駅から東福寺までは矢印付きの看板が目立つように設置されており、すぐ迷子になりがちな私でも迷うことなくたどり着くことができました。
長い歴史がありそうな建物の隣を歩いていくと、制服姿の学生さんと何度かすれ違いました。外国人観光客と同じくらいか、それ以上に見かけたので、修学旅行などの学校の行事で京都を訪れていたのかも。私も中学校の修学旅行は京都だったので、なんだか懐かしい気持ちになりました。
冬なのに、やたらと耳元で虫の羽音が聞こえるなと思いつつ、見えてきたのは 臥雲橋 という橋。東福寺の境内には北谷・中谷・南谷の 3 つの渓谷があり、そのうちのひとつである中谷に架かるのがこの橋です。木造の、屋根のある橋の上から見える景色は美しく、私を含め歩いている人は皆足を止めてその景色に見入っていました。
中谷に架かる橋は臥雲橋の他に 2 つ存在し、谷を流れる川の上流側から順に「 偃月橋 」「 通天橋 」そしてこの「臥雲橋」となっています。これらの 3 つの橋は「東福寺三名橋」と呼ばれているそうです。
東福寺の創建は、鎌倉時代にまで遡ります。奈良最大の寺院である東大寺と、同じく奈良で最も盛大を極めた興福寺から「東」と「福」の字を取り、ときの摂政関白・藤原(九條)道家が京都最大の大伽藍を造営。1236 年から 1255 年まで、実に 19 年もの年月を費やして完成したのだそう。
日下門をくぐり中へ。人の姿はまばらで、東福寺駅前は外国人が多かったのに境内は意外と日本人のほうが多いように感じました。東福寺からの帰りに、すぐ近くにあるカフェ的なお店を訪れてお店の方と話していたのですが、万博も終わったし、冬の京都は寒いということが分かってみんな南の方へ行っている、らしい。
また、紅葉の時期には夜にライトアップが行われていたそうで、その時期は混雑していたとのこと。紅葉はもちろん気になるけれど、後ろに人がたくさん詰まっていて自由に見て回れないような状態になることもあるようなので、ゆっくり見て回りたいならこれくらいの時期が良さそうです。
「通天橋受付」という看板に従って歩いていくと、チケット売り場が見えてきました。ここまでのエリアは全て無料で見て回ることができましたが、東福寺には有料となっているエリアが 2 箇所あり、通天橋はそのうちのひとつ。
通天橋のみの拝観券は 600 円、もうひとつの有料エリアである本坊庭園とセットになった共通拝観券が 1,000 円で、支払い方法は現金のみ。秋季に訪れた場合は拝観料が変わり、通天橋のみの拝観券が 1,000 円、共通拝観券はなく、本坊庭園のほうで別途拝観券(500 円)を購入する必要があるようです。
せっかくなので、今回は 1,000 円をお支払いして共通拝観券を購入。まずは通天橋のほうを見て回ります。通天橋は先述の通り「東福寺三名橋」のひとつで、南側にある方丈と北側にある開山堂を結んで架かる立派な橋。渓谷「 洗玉澗 」の紅葉と新緑は絶景だそうで、京都を代表する紅葉名所にもなっているのだとか。
以前、職場の京都に住む方から「京都は紅葉も綺麗だけど、青もみじも綺麗だよ」と教えていただいたので、紅葉のシーズンよりは空いている…と思われる GW 前後あたりを狙って新緑の季節の東福寺の景色を見に訪れるのも良さそうです。
橋の上では結婚式用の写真の撮影なのか、和服で家族写真と思われるものを撮影されている方もいらっしゃいました。私は年齢イコール彼女いない暦の寂しい人間なので、結婚に関する情報に乏しいのですが、きっと一生残る大事な記念写真だと思うので、なるべく邪魔にならないよう気をつけつつ、私も通天橋からの景色を堪能しました。
通天橋周辺には庭園のようなものが広がっており、拝観券を購入することで開放されるエリアはかなり広大。順路なども特に案内が見当たらなかったので、まずは通天橋のところから繋がっている屋根のある道に沿って歩いていき、石段をのぼって開山堂という建物がある場所へ。
門をくぐり抜けると、目の前に現れるのはいかにも日本庭園といった感じの美しく整ったお庭。正面に見えるのが開山堂で、1280 年入定の聖一国師を祀っているそう。左側に目を向けると普門院という建物があり、縁側的な感じの場所に座って景色を眺めている方が 5 人ほど。たしかに、腰を下ろしゆっくり心を落ち着けて、この光景をのんびり眺めていたくなります。
石段を下り、今度は通天橋周辺に広がる庭園エリアへ。渓谷の周りに広がっている場所ということで、歩くことのできるエリアはかなり立体的。広いだけでなく高低差があり、全てを歩きつくすには脳内マッピングの才能が必要そうです。
紅葉のシーズンが過ぎた後ということで、地面は赤い落ち葉に覆われています。苔の緑色とのコントラストも美しく、それでいてどこか物悲しいような気持ちになる景色。春や夏の、生命力あふれる景色も綺麗ですが、こういった景色も心を落ち着けてくれるようで私は好きです。
通天橋とその周辺を歩いた後は、本坊庭園へと向かいます。庭園は方丈という建物の周りにあるようで、建物の入口で靴を脱ぎ、受付で拝観券を切り取ってもらってから奥へと進みます。
方丈とは禅宗寺院における僧侶の住居だそう。東福寺方丈は明治 14 年の火災によって仏殿、法堂、庫裏と共に焼失してしまいましたが、明治 23 年に再建。広大な方丈には東西南北に四庭が配されており、四周に庭園を巡らせたものは禅宗の方丈の中でも東福寺の方丈だけとのこと。
本坊庭園は、四庭に配された「蓬莱」「方丈」「 瀛州 」「 壷梁 」「八海」「五山」「井田市松」「北斗七星」の 8 つを「八相成道(釈迦の生涯の 8 つの重要な出来事)」に因んで「八相の庭」と名付けられたそう。
こちらも境内の他の場所と同様に人はまばらで、かなり自由に動き回れる感じ。通天橋同様に、こちらでも和服を着て写真撮影をされている方々がいたので少々気を使う感じではありましたが、東西南北にある庭園をじっくり眺めることができました。
方丈の建物内の受付近くにはあの有名なキャッチコピー「そうだ京都、行こう。」の文字が書かれた案内が飾られていて「本物(?)だ!」と謎に感動しました。美しい紅葉の写真は通天橋からの景色でしょうか。かなりの大混雑だと聞いていますが、一度見に訪れたいものです。
有料エリアも見終えたしそろそろ帰ろうか、と思ったところで、東福寺についての説明が書かれた木製の看板を発見。それによると、境内には「三門」という門があり国宝にも指定されているのだとか。それは見に行かねばということで、本堂の隣を通って境内を南へと歩きます。
見えてきたのは想像よりも遥かに大きな門…というより建物。最初に建てられた三門は火災によって焼失しているものの、焼失後間もなく再建され、現在の三門は室町時代の 1425 年に完成したものだそう。禅宗三門としては最古で最大のものとされています。
京都の東福寺へ行ってきましたが、観光客で溢れる京都とは思えないほど人が少なく、のんびり落ち着いて境内を見て回ることができて良かったです。紅葉のシーズンは過ぎていたものの景色は美しく、この季節ならではの心が洗われるような、清々しい気持ちになりました。
あと、途中でも少し触れましたが、帰りに立ち寄ったカフェ的なお店で色々なお話を聞けたのも楽しくて良かったです。お店を訪れるお客さんの 8 割ほどが外国人なのだそうで、やたら話しかけてくださったのは日本語で話せる人が珍しかったからなのかも。