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夏なのでゾッとした思い出を書いてみる

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ひらたけ

はてなブログユーザではないですが、はてなブログの「今週のお題」に従って記事を書いてみようと思います。

今週のお題は 「ゾッとした話」 。ということで、過去の記憶をどうにかひっぱり出して「ゾッとした話」を書いてみようと思います。


わたしが中学生の頃の話です。

結構いろんなひとに驚かれるのですが、 わたしは中学生の頃はソフトテニス部に所属していました 。まあめちゃくちゃ痩せているし、いかにも「運動なんてしてません」な見た目をしているので無理はありません。中学校を卒業してからはずっと帰宅部でしたし。

真面目にやっているのに上達せずつらい思いをしたり、軽いいじめ的ないろいろで休んでいた時期もありましたが、中学 3 年の最後の大会まで退部することなくやりきったのは大きな自信にも繋がったと思います。まあ、 最後の最後まで下手くそでしたが

さて、運動部に所属していると定期的に開催される大会に参加することになります。地域の中学校同士が対戦するような、よくあるやつです。

そんな定期的に行われる大会のうちの 1 つに参加したときのこと。

夏の暑い日に屋外のテニスコートで行われた大会で、先述の通り下手くそだったわたしは早々に敗退し同じ学校の選手をひたすら応援するだけの状態になっていました。試合がない時間は同級生たちと一緒に大きな木の下の日陰で涼み、試合が始まる頃にテニスコート付近へ移動して大きな声で応援するのです。

炎天下の中で大きな声で応援をするわけですから、実際に試合をしていなくとも汗が吹き出します。試合が終わればぞろぞろと元の場所へ戻り、木陰に置いてある持参したリュックの中からタオルや水筒を取り出し、汗を拭いたり水分補給をしたりしました。

また、他の地域や部活でも同じかどうかは分かりませんが、わたしが所属していたソフトテニス部では、試合などがある日は皆 カロリーメイト を持ってきて休憩時間に食べていました。カロリーメイトは色々な味がありますから、半分に割って他の味を持っているひとと交換して楽しむことも多々ありました。

そんなふうに過ごしているうちに最後の試合も終わり、表彰や閉会の挨拶などが行われ大会が終了。今日も 1 日暑い中活動したから疲れたなあと、そんなことを考えながらリュックやテニスラケットを背負って家まで帰りました。

ゾッとするような事件が起こったのは帰宅してからのことでした

1 日中暑い屋外にいたため汗でひどいことになっていたわたしは、荷物を自室に置くとすぐに風呂場へ直行し頭や身体を洗いました。そして、スッキリした後は料理好きな母が作ってくれた美味しい手料理を食べ、空腹を満たします。

試合にはやっぱり負けてしまったけれど部活を頑張った達成感があり、お腹いっぱいになった満足感があり、幸せな時間を過ごしていたのです。

そして、食事が終わった後に自室へ戻ります。

自室の扉を開くとそこに広がっていたのは、 床一面に何か黒いものが大量に蠢く光景でした 。床の半分以上を覆い尽くすくらいの 無数のアリが部屋にいたのです

虫が大の苦手だったわたしはその日、自室に近寄ることができませんでした。虫が苦手でなくとも、あの数のアリが這い回る部屋で過ごしたいとは思わないでしょう。どうすることもできず、その日は家族に頼み込んで別の部屋で寝させてもらったのを覚えています。

きっと、部活に持っていったリュックの中から出てきたのでしょう。大会の間、リュックを木陰に置いていましたし、 当然その地面は舗装されているわけでもなくただの土でした 。また、甘いカロリーメイトを入れていて、半分に割るなどしていたわけですから 細かな欠片が飛び散っていたはずです 。そうして集まってきた大量のアリが、リュックに入っていたのでしょう。

自室に理解不能な量のアリがいるということ、そうとは知らずアリの大群が入ったリュックを背負っていたこと、今思い返してもゾッとします。

そして、この話にはさらに続きがあるのです。

翌朝、寝ている間にアリが自分の居るところまでやってくるのではないかと恐怖に怯え寝不足だったわたしは、アリが居るからといっていつまでも自室をそのままにしておくわけにもいかず、勇気を振り絞って再度扉を開けました。

アリが 1 匹も見当たらないのです

そう、床を覆い尽くすほどいたはずのアリは、一晩で全て姿を消してしまったのです。恐る恐るリュックを手にとってみても、そこには何も居ません。家族に聞いても、何もしていないと言います。それでは一体、どこへ…。


消えたアリの行方は、今でも分かっていません。それ以来、自室にアリが出たことはありませんでしたが、事件が起こってからしばらくの間は自室で過ごすのがかなり怖かったのを覚えています。

これがわたしが覚えている一番記憶に残っている「ゾッとした話」です。どうか、あのときのアリが突然また目の前に現れませんように…。