昔のおもちゃを体験できる奈良町からくりおもちゃ館へ行ってきた
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近鉄奈良駅からアーケード商店街を抜けた先、歴史的な街並みが広がる ならまち にある 昔ながらのおもちゃに触れて遊ぶことができる奈良町からくりおもちゃ館 へ行ってきました🦌 周辺に建ち並ぶ古そうな家々と同様に長い歴史を感じる建物の中に江戸時代以降のからくりおもちゃが展示されていて、それらを実際に触って楽しむことができる施設です。
駅から歩いて 10 分ほど、下御門商店街を抜けてさらに南へと進み「本当にここ…?」と不安になるようなやたら細い脇道へ入っていくと「奈良町からくりおもちゃ館」が見えてきます。このあたりは「陰陽町」という地名らしい。かっこよ。
すごい達筆な感じで施設名が書かれた看板が取り付けられた古い建物は、明治 23 年に「松利」という料理屋の離れとして建てられたものだそう。奈良市の都市景観形成建築物等に指定されているとのこと。
奈良町からくりおもちゃ館の利用は無料。ガラガラと引き戸を開けて中へ入ると、それほど広くはない建物の中には 10 人以上ものお客さんの姿がありました。
入ってすぐのところにある受付のような場所に居られたスタッフの方がすぐに話しかけてくださり、施設の説明をお聞きしたりアルコール消毒をしたりします。その後そのままスタッフの方に案内していただいて、靴を脱いでさっそくおもちゃが展示されているエリアへ向かいます。
展示されているおもちゃは、多くが木や糸などで構成されたもの。最初に体験したのは ハンドルをぐるぐると回すと滝を模した角柱を鯉が登っていく というおもちゃ。中国には「竜門の滝を登った鯉は竜になる」という言い伝えがあり、その言い伝えと同じようにこのおもちゃの鯉も滝の上まで登りつめると竜が姿を表すようになっています。
ぐるぐると回すハンドルの先には竹ひごを数本まとめたものが等間隔に取り付けられており、結び目が等間隔につくられた白い紐を引っ張り上げるという仕組み。紐に引っ張られた鯉が滝の上までやってくると、鯉に押されて角柱のてっぺんにある竜が描かれた木の札がパカッと飛び出します。
続いて体験したのは 糸が取り付けられた横木を動かすことで天狗を模した人形を回転させる「からくり天狗」 というおもちゃ。壊さないように慎重に横木を動かすと、人形の袖から扇や羽がパタパタと出てきます。
この「糸を引っ張って人形を動かす」という仕組みはこの時代のおもちゃによく使われたそうで、糸が二重三重に付けられ複数の人形を動かせるようになっているものもあるようです。
その後もスタッフの方に説明を聞きながら、小さなハンドルを回すとネズミの鳴き声のような音がなる可愛らしいおもちゃや、2 人のうち 1 人が本に描かれた数十個の絵からひとつ選んでページを捲り、選んだものが本の左右どちらにあるかを答えていくだけで相手が何を選んだのかを当てられるというおもちゃなどを体験。
正直「古いおもちゃとか触っても…」とか思いながら奈良町からくりおもちゃ館を訪れたのですが、スタッフの方の説明が上手で話も面白く、非常に楽しめました。スマホやパソコンでゲームするのも良いけれど、こういう昔のおもちゃを触るのも楽しくていいなあと思いました。