下関市と北九州市を結ぶ関門トンネルを歩いて本州から九州へと渡る
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山口県下関市と福岡県北九州市門司区を結ぶ 関門トンネルを歩いて本州から九州へと渡ってきました🌊 関門トンネルは関門海峡の底を通る全長 780m の海底トンネルで、上部が車道で下部が歩道の上下 2 層構造。人生で一度は歩いてみたいと思っていたので、念願の訪問です。
大阪から山陽新幹線に乗ってやってきたのは、本州最西端の新幹線駅である新下関駅。駅構内には「ふく」の形をした赤と黒のちょうちんがたくさん設置された「ふくちょうちんウェルカムゲート」というゲートがあり、なんだか可愛らしい雰囲気にほっこり。
下関では「ふぐ」のことを幸福の「福」を招くよう「ふく」と呼ぶそう。以前からあるものなのかな?と思いきや、このゲートが設置されたのはかなり最近。今年 1 月 31 日にお披露目がされたとのことで、訪問したタイミングでは設置から 1 ヶ月も経っていませんでした。
新下関駅からは、関門トンネル近くまでバスに乗って移動します。駅の東口を出てすぐのところにあるバス停で待つこと 10 分ほど、やってきたのは青い色をしたサンデン交通の下関駅行きのバス。Suica や ICOCA などの交通系 IC カードでの乗車に対応していて、わざわざ現金を用意しなくても乗車できるのは助かります。
30 分ほどバスに揺られて「御裳川」というバス停で下車。「みもすそがわ」と読むらしい。難読。
バスには私の他にも観光客と思われる方が数名乗車されていたのですが、意外にもここで下車したのは私ひとりだけ。午前中だし唐戸市場の方へ行くのかな?
「ここが関門トンネルの最寄りか~、入り口はどこにあるんだろう?」と呑気にあたりを見渡して、目の前に見える関門海峡そしてそこに架かる大きな関門橋の姿に圧倒されました。関門トンネル以外の情報をあまり調べずにこの場所を訪れていたので、そもそもこれだけ大きな橋が架かっているということを知らず。
関門橋は本州と九州を結んでいる全長 1,068m の長い長い吊り橋で、1973 年に開通した当時は東洋一の長さを誇るものだったそう。高速道路のため歩いて渡ることはできませんが、下から見上げるだけでもその景色は素晴らしいもの。バスに乗って到着したのがちょうど橋の下を船が通り過ぎるタイミングだったので、周辺にいた人たちが一斉に写真撮影をされていました。私も急いでスマホを構えてパシャリ。
また、この地は平安時代末期の源氏と平家の最後の合戦「壇ノ浦の戦い」の舞台となった場所。平知盛を大将にした平家と、源義経率いる源氏がここで争いました。
当初は平家が優勢であったものの関門海峡の潮の流れが西向きへと変わり始めた途端源氏が勢いを盛り返し、平家は追い詰められることに。こうして平家は滅亡し、その後の日本の政治が貴族から幕府による武家政治へと移行していったとのこと。
この周辺は現在「みもすそ川公園」として整備されています。この「みもすそ川」というのは、平家の敗戦を覚悟した二位尼(平時子)がわずか 8 歳の安徳天皇を抱き壇ノ浦の海へ入水した際によんだ辞世の歌から生じたといわれているそう。
歴史を感じるみもすそ川公園を離れ、今回の目的地である関門トンネルへと向かいます。関門トンネルの下関側の入り口はバス停の隣にある横断歩道で道路を横断したところにあり、アクセスは良好。もう少し歩かないとたどり着けないかと思っていました。
関門トンネルは上下の 2 層に分かれていて、上部が車道で下部が今回歩いて通る歩道。この道は車道も歩道も国道 2 号となっていて、同じ名前で鉄道用の「関門トンネル」と区別するために「関門国道トンネル」と呼ばれることもあるそう。
入り口には料金箱が設置されていて、原付や自転車の場合には片道 20 円の通行料金がかかるそう。歩行者は無料で通行することができます。
年季の入ったエレベーターに乗り、日本で最初に完成したという海底人道トンネルへと向かいます。下りた先には黄色い歩道がずっと先まで続いているのが見えます。入り口には「国道 2 ROUTE」と書かれた標識が掲げられていて、ここが国道であると主張しています。
海底トンネルの長さは全長 780m ほど。本州と九州という大きな島の間を移動するということで、なんだかもう少し大変な距離を歩かないといけないのかと思いきや、それほど長い距離ではありません。歩いている人の数も多く、私のような観光客からお散歩中と思しきご高齢の方まで様々。
歩き始めてわずか 5 分ほど、見えてきたのは山口県と福岡県の県境を示す線と文字。多くの人がここで立ち止まり記念撮影をされていたので、私もその待機列に並び写真を撮影。歩いて島と島の間を渡っているというのがなんだか不思議な感覚です。
10 分ほどかけて、下関側から北九州側の端まで歩いた先には「関門トンネル人道踏破おめでとう」という案内が設置されていました。再び年季の入ったエレベーターに乗って地上へと向かいます。地上に出て振り返ると、下関で見た入り口と見た目がほぼ一緒な建物。写真はちゃんと北九州市門司区側のものです。
ずっと行ってみたいと思っていた関門トンネルを歩いてきましたが、徒歩で、しかも海底を通って県境を超えるというのが新しい体験でなんだかとてもワクワクした気持ちになりました。また、トンネルを歩くだけになるかと思いきや、歴史を感じられるスポットがあったり立派な関門橋が架かる素敵な景色が広がっていたりと、関門トンネル以外に楽しめるポイントがあったもの非常に良かったです。