国宝に指定されている現存する12天守のひとつ松江城へ行ってきた
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現存 12 天守のうちのひとつで 国宝にも指定されている松江城へ行ってきました🏯 日本には天守が国宝に指定されているお城が 5 つあり、これらは「国宝 5 城」と呼ばれています。そのうちのひとつが今回訪れた 島根県松江市にある松江城 で、山陰地方では唯一の現存天守です。
そんな歴史ある松江城を訪れ、城内を歩いたり天守内へと入り内部や外の景色を見たりしてきました。
やってきたのは松江城の南側。今回私は JR 松江駅から徒歩で向かいましたが、駅からは松江城へと向かう路線バスや観光地を巡る観光ループバス「ぐるっと松江レイクラインバス」が多数発着しており、車がなくても容易にアクセスが可能です。
今回松江城を訪れたのは平日でしたが、周辺には観光客らしき人々の姿が散見され、その観光地としての人気の高さがうかがえます。
すぐ近くには 堀川遊覧船 という松江城とその周辺を囲うお堀をのんびり巡る遊覧船の乗り場があるようで、その案内看板が設置されていました。ものすごく心惹かれて気になったのですが、今回は時間の都合で乗船することができませんでした。
松江城は 1611 年(慶長 16 年)に松江開府の祖、堀尾吉晴公とその孫で松江藩 2 代藩主の忠晴によって築かれた城。「国宝 松江城天守」と彫られた石碑の正面には、その堀尾吉晴公の像が建てられていました。この城が建てられた年は 2012 年(平成 24 年)に再発見された 2 枚の祈祷札に書かれた文字から確定したもので、築城当時の資料によって建築年代が確認できるというのは極めて希少な例なのだそう。
そんな松江城はその後、堀尾氏 1 代、京極氏 1 代の治政を経て、1638 年に(寛永 15 年)松平直政公がその城主となり明治維新まで 10 代にわたって松平氏が城主を務めました。
長い石段を上り、門をくぐって松江城天守の近くへ。天守の中へ入るため、チケット売り場にてチケットを購入します。お値段は 1 枚 800 円、天守閣に登るためのチケットということで「登閣券」と書かれているのがなんだかカッコいい。現金のほか、交通系 IC カードなどのキャッシュレス決済にも対応していました。
天守内は土足厳禁で、入るときに手渡された白いビニール袋へと履物を入れて中へと進みます。このあたりは以前訪れた 姫路城 と同様。姫路城を訪れたときはうっかり五本指靴下を履いてきてしまい周囲の視線が気になってしまうという失態を犯してしまったのですが、今回はちゃんと普通の靴下。安心して内部の見学ができます。
今では観光地として多くの人が訪れるスポットとなっているお城ですが、お城といえばお殿様が住まう場所であり、戦の際の防衛施設。城内には矢や鉄砲で敵を狙うための狭間があったり、石や熱湯などを使って攻撃するために設けられた石落としと呼ばれる設備があったり。
外観は 4 重、内部構造は 5 階と地下 1 階という構造の松江城は、入り口に附櫓を設けた望楼型という区分に分類されるお城。中には「通し柱」という 2 階分を貫く柱があり、これが 1 階と 2 階、2 階と 3 階というように各階に交互に配置することで長大な部材を用いずにこれほど大規模な建築を可能にしたのだそう。
この方式は「互入式通し柱」と呼ばれ、2 階から 3 階へと通じる階段のところからは実際に通し柱が上下 2 階を貫いている様子を見ることができ、このポイントが松江城天守内でこの様子を見ることができる唯一の場所なのだそう。
お城によく見られる結構急な階段を、手すりにつかまりながらどうにか上っていきます。4 階では四隅の梁の上から 5 階の隅柱が立ち上がっている様子を見ることができ、これによって上の階の荷重を下の階の柱が直接受けることなく、荷重を横方向へとずらしながら下に伝えることができるのだそう。
この梁の上から立ち上がる柱によって荷重を横方向にずらしたり、先ほど見た「互入式通し柱」といった大規模建築を可能にした技術は、その後に築城された丸亀城や宇和島城などの天守へと受け継がれ、層塔型天守へと進展していったそうです。
内部を色々見ながら順路に沿って上へと進んでいき、たどり着いたのは最上階。ここまでは全体的に薄暗い空間だったものが、ここで窓からの太陽の光によってバッと明るくなります。この一番上で明るい場所に出るのが個人的にすきだなあというポイントだったりします。
天狗の間と呼ばれる最上階からは松江市街が 360 度遠くまで見渡せ、その向こうには宍道湖の姿も。昔の人もこうしてこの場所からの景色を楽しむことがあったのでしょうか。そんな遠い昔に思いを馳せながらぼんやりと遠くを眺めていると、わざわざ松江城に足を運んで良かったなという気持ちになります。
国宝に指定されている松江市の松江城へ行ってきましたが、様々な建築の工夫を知ることができたり、最上階からの素晴らしい景色を見ることができたりと非常に楽しめました。お城の内部が見られるだけでなく、中には松江城や松江藩に関する資料の展示もされており、そちらも興味深かったです。
実は今回の山陰旅行では、当初松江城を訪れる予定は無かったのですが、時間が空いたので「じゃあせっかくだし行ってみようかな」というので訪れました。危うくこんなに素晴らしい場所を訪問しないままに大阪へと帰ることになるところでした。
次にまた訪れる機会があれば、近くにある松江歴史館などの他の施設にも行ってみたいです。