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謎の企業が運営するパビリオン「TECH WORLD」へ行く

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ひらたけ

玉山デジタルテック株式会社 というあまり名前を聞いたことのない企業が運営する 「TECH WORLD」というパビリオンへ行ってきました🇹🇼 企業パビリオンが集まる大屋根リング外側のエリアのうち、西側に広がる西ゲートゾーン、その北側にあるパビリオンです。


大阪・関西万博の会場内には、毎日長い列ができている大人気のパビリオンがいくつもありますが、この「TECH WORLD」もそのうちのひとつ。あまり名前を聞いたことのない企業のパビリオンにも関わらず、建物の前とパビリオンからほど近い大屋根リング下の空間にはどこまでも続く行列が。

SNS 上での投稿や、実際に行ってきたという知り合いの方からの評判も良く、ずっと気になっていたパビリオンだったのですが、大屋根リングの内側にある海外パビリオンを中心に見て回っていたこともあり大屋根リングの外側にある「TECH WORLD」はなんだかんだで訪問できていませんでした。

訪れたタイミングでの待ち時間はちょうど 3 時間ほど。待機列のところに「100 分待ち」と書かれた案内が掲げられていたので、待っても 2 時間くらいかな?と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。謎の企業のパビリオンが人気すぎる。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

列は 3 か所に分かれて形成されていて、ひとつは建物の入口前の「もうすぐパビリオンに入れるぞ!」というワクワクマシマシゾーン。次がベルトパーテーションによって仕切られた大屋根リング下のゾーンで、最後がそのベルトパーテーション内に入ることができなかった人たちが大屋根リングに沿って並び続けるゾーン。

私は万博訪問 9 回目で「TECH WORLD」を訪問したのですが、その前の 8 回目のときに「TECH WORLD」の前まで様子を見に来ていました。入れたら入ろう…と思いながら訪れると、ベルトパーテーションゾーンの前でスタッフの方が入場制限中で並べませんと案内をされていて、すごすごと引き返したのですが…その時には気が付かなかっただけで、同じように大屋根リングに沿って並び続けるゾーンが存在していたのかも。

パビリオンを訪れて「入場制限中で並べないのか…」となっても、周りをぐるりと見回したら入場制限が解除されたときに入るための待機列が違うところに形成されているパターンが何度かあったので、引き返す前に周りをよく見るのが大事かも。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

建物内へと入ると、スタッフの方から「スマートブレスレット」なる腕に巻き付けて装着する電子機器が手渡されました。パビリオン内の展示を見て回る間は、これを自分の腕に装備した状態で行動することになります。

スマートブレスレットを腕に巻き付けてから触れると画面には「TECH WORLD」パビリオンのロゴマークのようなものが表示され、無事装着完了。建物内での禁止事項や、35 分間のツアー型のパビリオンとなっていることなどの説明を受けた後で「レッツ?」「ゴー!」というコール & レスポンスが行われ、展示エリアへと進みます。

まず訪れたのは「ライフ劇場」という、中央に巨大な木を模したオブジェがそびえ立つ部屋。木の幹に相当する部分には映像が映し出され、その下には無数のタブレット端末があります。ガイドの方の説明によると「TECH WORLD」という島には広大な森林が広がっていて、豊かな生態系を育んできたのだそう。

なぜか説明の途中で「台湾」というワードがちょいちょい出現するのを聞き流しつつ、そんな「TECH WORLD」という島の自然を表現した映像を鑑賞します。特徴的なのは、大きなスクリーンの下にたくさん取り付けられたタブレット端末。

台湾に本社を置く ASUS 製の Chromebook が 560 台あるそうで、ただ映像を表示するだけでなく端末自体が角度を変えながらぐるぐると回転したり、波のように隣り合う端末同士が連動して動いたり。動きが非常に滑らかで、見ていて面白かったです。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

ガイドの方の説明の中で出てきた台湾は日本の南西に位置する台湾島を中心とした地域で、約 2,342 万人の人々が暮らしています。主要都市は台湾島の北部にある台北や島の中部にある台中、そして島の南部に位置する高雄など。面積は日本の九州よりもやや小さいくらいだそう。

台湾島の中央部には玉山という山があり、その標高は 3,952m で富士山の 3,776m よりも上。このパビリオンの展示の舞台となる「TECH WORLD」という島にも同じ名前の山があるそうで、ライフ劇場の木の幹部分にあるエレベーターに乗って 4 階へと向かうと島の最高峰である玉山の景色がスクリーンに映し出されていました。

高画質 4K レーザープロジェクターを用いてアーチ型の壁に映されている映像は非常に綺麗で、壁と床の隙間から雲海をイメージしたと思われる白い煙がもくもくと現れるなど演出のこだわりも感じました。

映像を鑑賞した後は、通路を通って次の展示エリアへ。途中には本物の胡蝶蘭が置いてあり、色がついているものはナノスプレー技術によって色付けされたものだそう。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

続いてやってきたのは、いくつかのディスプレイが壁に設置された部屋。本物の絵画のように見えるアートディスプレイが設置されており、通常のディスプレイと異なり光が反射したり顔が映り込んだりせず、すぐ近くで見てみても画面とは思えないほど。

けれども間違いなく絵画ではなく、台湾にある台北 101 によく似た建物の絵やどこかの街中の風景画など、表示される絵が時間に応じて切り替わったり、映像が動いたりしていました。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

非常に高度な技術を持つ「TECH WORLD」という島。その秘密に迫るべくエスカレーターに乗って向かったのは建物の 2 階。こちらでは私たちが普段使っているスマートフォンやパソコンなどのデバイスにも使われている半導体や IC チップについての説明や展示がされていました。

IC チップは様々な製品に用いられていて、スマートウォッチには 30~50 チップ、スマートフォンには 100~200 チップ、自動車には 1,500~3,000 チップほどが使われているそう。IC チップ自体の展示や、IC チップの製造に使用されるウェーハの展示もされており、高専に通っていたときにウェーハの話とかあったなあと懐かしい気持ちになりました。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

懐かしい気持ちになっているうちに他のツアー参加者の人たちに置いていかれそうになったので、慌てて次の部屋へと移動。ゲーミングに光る画面を訪れた人たちが触れると、スマートフォンやパソコンなど様々なデバイスに使われている IC チップは一体どこで作られているのか、という話についての映像が流れ始めます。

世界で最も先端的な IC チップは「TECH WORLD」という島で作られているそう。映像の中では未来の世界が描かれ、より良い未来の暮らしのためには IC チップの存在が欠かせないということが語られていました。

大阪・関西万博の TECH WORLD の写真

最後に、パビリオンに入ってからここまで腕に装着していたスマートブレスレットによって計測していた心拍数のデータに基づいて、その人向けのおすすめの旅行先を提案してくれるという体験ができるようになっていました。壁に取り付けられた装置にスマートブレスレットを近づけて情報を読み取らせると、画面が変化し 3 つのスポットが表示されます。

やってみると「龍猫隧道(トトロのトンネル)」と「Moondream Reality」と「台北流行音楽中心」という場所が表示されました。「龍猫隧道(トトロのトンネル)」と「Moondream Reality」は台湾南部の都市・高雄にあるスポットで、「台北流行音楽中心」は名前の通り台湾北部の都市・台北にあるスポットだそう。

表示された結果は、画面に表示される二次元バーコードを読み取ることでスマートフォンでも見ることができるようになっていて、二次元バーコードの写真を残しておけば後からゆっくり見返すこともできます。私はこの日スマートフォンでインターネットに接続できず、その場で二次元バーコードを読み取ってページを開くことができなかったので、写真に残して帰宅してからゆっくり見ました。

大阪・関西万博の TECH WORLD で配っていたお土産の写真

エスカレーターに乗って 1 階へと降りると、目の前にはゲーミングに光り輝く「TECH WORLD」の文字。私を含め記念撮影をしている人が多かったです。

その先では「TECH WORLD」に訪問した記念のお土産を配っており、まあまあ大きいサイズのカバンを手渡されました。こんなにしっかりとしたモノを貰えるとは思っておらず、普通に驚きました。ペットボトルをリサイクルした糸で作られたものだそうで、ちゃんと「台湾製 Made in Taiwan」の文字が書かれています。


見て回るのにかかった時間は 40 分ほど。最初から最後までスタッフの方が日本語で説明をしてくださっていたので、展示の内容も分かりやすく楽しかったです。台わ…「TECH WORLD」という島について知ることができて良かったです。不思議と台湾に行ってみたくなりました。おすすめスポットも紹介されたし。

ところで最後のおすすめスポットを紹介してくれるページ、favicon がめちゃくちゃ Vite のロゴのままなのはどうにかならなかったんだろうか…。