屋上に展望台がある奈良県庁へ行ってきた
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奈良公園からほど近いところにある 奈良県庁へ行ってきました🦌 県庁舎の屋上には誰でも無料で入ることのできる屋上広場が整備されていて、そこからは若草山や生駒山などの山々、奈良の街が一望できるとのこと。休日でも開放されているとのことだったので、奈良を訪れた際に立ち寄ってみました。
近鉄奈良駅から鹿(本物)と観光客であふれる歩道を歩いて 6 分ほど。大通りを挟んで向かい側に見えてきたのは、景観保護のために高さが制限されている奈良の街にそびえる大きな奈良県庁の建物。
奈良県で最も高い建物は高さ 50.937m の 興福寺の五重塔 ですが、奈良県庁舎はそれに匹敵する高さ 48.4m。興福寺五重塔や東大寺大仏殿などを除くと、この奈良県庁舎が奈良県内で最も高いビルなのだとか。周辺に公園が広がっているということもあり、近くで見ると実際の高さよりも大きく見えるような気がします。
建物の入口にいらっしゃった警備員の方に展望台への行き方を聞きつつ、エレベーターに乗って屋上へ。奈良県庁の屋上が開放されている時間は時期によって異なるようで、休日だと 4~10 月は 10:00~17:00、11~3 月は午前中は開放されておらず 13:00~17:00 だそう。
訪れる直前まで居たカフェで地図アプリを開いて場所を確認している際、地図アプリ上の営業時間が 11 月以降の場合の時間になっていて営業時間外の表示になっていたので焦りましたが、行ってみるとちゃんと中へ入ることができました。
屋上へと向かうエレベーターの中には「吉野杉 透かし彫り」という作品が飾られていました。吉野杉ならではの緻密な年輪を生かして制作されたという飾り額は干支をモチーフにしたもので、木目が平行に並んだ柾目の板に細かい砂を吹き付けることで木目の柔らかい部分が透かし抜かれ、硬い部分だけを残して文字や絵柄を描いているとのこと。
説明の文章だけではどういう制作の仕方をされているのかいまいちピンと来ないですが、エレベーターに乗っている短い時間にもこうして素敵な作品に触れられるところに、来庁者に楽しんでもらおうという工夫が感じられました。
エレベーターを降りるとこちらにも警備員の方がいらっしゃって、丁寧に案内をしてくださいました。扉を開けて外へと出ると、正面に見えるのは興福寺の五重塔。
現在興福寺五重塔は大規模な保存修理工事の最中ということで、全体を大きなパネルに覆われて見ることができない状態。工事の完了は 6 年後の 2031 年を予定しているそうです。明治時代以来 120 年ぶりとなる大きな工事だそうで、五重塔の姿が見られるようになる日はまだまだ先。見ることができるようになったら、また奈良を訪れたいですね。
東側に見えるのは年に 1 度の「若草山焼き行事」でも有名な若草山や春日山、御笠山、高円山といった山々。手前に見えるのは東大寺の南大門や、日本三大仏のひとつとして知られる奈良の大仏がある東大寺大仏殿です。芝に覆われた若草山が非常に美しく、長い歴史のある建物が並んでいるのも相まっていかにも奈良らしい景色が一望できます。
北側や西側に広がるのは奈良の市街地。西側の遠くのほうに見える山は、大阪と奈良を隔てる生駒山です。見える景色の写真と、それぞれの施設や山などの名前が記された看板が設置されており、平城宮跡や朱雀門が載っていたので近くにあった望遠鏡を覗いてみたのですが…どれだけ探してもうまく見つけられませんでした。
奈良の街を歩いていると野生の鹿が歩いている様子を見ることができますが、自然豊かな奈良県庁屋上広場にも鹿の姿がありました。草の陰に隠れるようにひっそりと佇む鹿のオブジェ。特に案内などもなかったので、最初に視界に入ったときは本物かと思いました。
のんびりと景色を眺めながらうろうろとした後、帰る際には再び警備員の方が話しかけてくださり、隣の休憩室を指しながら「お時間ございましたら、エアコンが効いてますので涼んでいってください」と笑顔で案内をしてくださいました。
奈良の観光案内のようなものが置いてあるからわざわざオススメしているのかな?と思いつつ、せっかくなので立ち寄ってみたのですが、チラシやパンフレットのようなものは一切見当たらず。奈良県産のスギの木を活用してラッピングしたという自動販売「木」なるものが設置されていて、飲み物を飲みながら窓の外の景色を眺めることができます。
奈良県庁舎屋上広場へ行ってきましたが、地上は多くの観光客や鹿でいっぱいなのに対してこちらは人がほとんどおらず、ゆっくりと過ごすことができました。ベンチに座ってのんびりとされている方もいたので、地元の方の憩いの場となっているのかも。
あと、警備員の方の対応がものすごく丁寧だったのが印象的でした。興福寺五重塔の工事が終わったら、またこの場所から景色を見てみたいです。