1300年の歴史がある武雄温泉旅行記

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ひらたけ

西九州・佐賀県にある四大温泉地のひとつ 武雄温泉へ旅行してきました♨️ 約 1300 年前に編纂された『肥前風土記』にもその名が登場する古湯で、神功皇后が湯浴みしたとも言われる歴史ある温泉地です。そんな 武雄温泉(たけおおんせん) を訪れ、温泉宿に宿泊して温泉や食事を楽しんだり、温泉街を歩いたりしてきました。


やってきたのは、武雄市の玄関口である 武雄温泉駅。佐世保線と西九州新幹線が乗り入れる駅で、長崎駅まで続く西九州新幹線はこの武雄温泉駅が起点となっています。九州最大の都市である福岡市の 博多駅 とは特急リレーかもめ号をはじめとする在来線特急と結ばれていてアクセスもよく、新幹線とは同じホームでの対面乗り換えが可能となっています。

2022 年秋の西九州新幹線の開業に合わせてリニューアルされたという駅舎は、4 年が経った今でも綺麗でピカピカ。駅構内には土産物なども販売する観光案内所やカフェ、書店などが併設されており、どれも木の温もりが感じられ、広々としていて居心地の良さそうな空間がつくられていました。

新幹線のホームがある駅舎の南側はモダンな雰囲気のもの、北側はレンガ造りでどこか歴史を感じる外観。武雄市がある佐賀県は『ゾンビランドサガ』というアニメ作品の舞台となっていて、南口の入り口周りの窓ガラスにはアニメに登場するキャラクターのイラストが描かれていました。

私はほとんどアニメを見ない人間なのですが、高専に通っていた学生時代には友人から勧められたり、周囲の人たちとの会話についていくためだったりといった理由で色々見ていました。

ゾンビランドサガは、この投稿の執筆時点で第 2 期まで放送されているほか、劇場版も公開されているようですが、私が見たことがあるのは学生時代と放送時期が被っていた第 1 期のみ。とはいえ、見たことあるアニメ作品のイラストを街なかで見かけるというのは、なんだか不思議な気持ちでした。

武雄温泉駅から武雄温泉の温泉街へは、歩いて 10 分ほど。駅の北側を通る県道 24 号を西へと進み、途中で地元のお店に入って夕食をとりつつ「武雄温泉街」と書かれた案内看板が設置されているところから細い道へと入っていきます。

通り沿いには古くから続いているのであろうお店が並びますが、人通りは少なく「温泉街」と聞いて思い浮かべるような賑やかな場所とはまた違った印象。温泉街の通りをずっと進んだ先、正面に見える朱色の門が武雄温泉のシンボルである「武雄温泉楼門」です。

こちらの立派な門の設計を手掛けたのは、あの東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店などを設計した辰野金吾氏。赤レンガを用いた西洋風の建物を設計している建築家、という印象のある辰野金吾氏ですが、このような木造の和風建築も手掛けているというのは意外でした。

そんな武雄温泉楼門のすぐ目の前にあるのが、今回宿泊させていただいた「湯元荘 東洋館」という宿。創業は慶長 8 年(1603 年)で、旅人の宿「諸国屋」として始まったとのこと。慶長 8 年というと、徳川家康が征夷大将軍に任じられ、現在の東京にあたる場所に江戸幕府を開府したのと同じ年ということで、その歴史の長さに驚かされます。かの有名な剣豪・宮本武蔵が島原の乱の後に『五輪の書』の想を練った由緒の宿なのだとか。

温泉宿らしい趣のある建物の中へと入り、さっそくチェックイン。受付で対応してくださった方が、非常に丁寧だけれどなんとなくテンションの高い感じだったのが印象的でした。宿の説明だけでなく、お部屋の前まで案内をしてくださったのですが、とても話しやすいし元気をもらえるようで最初の対応だけで「いい宿だな」という気持ちになりました。

宿泊したのが平日の木曜だったので「空いてるかな?」と思っていたのですが、この日は団体のお客さんが来られていたようで館内は結構賑やかな感じ。温泉もあまりゆっくりは楽しめないかな…と少し残念な気持ちになりかけたのですが、この後は宴会だからその時間なら空いているかもしれないという情報をいただき、すぐさま温泉へ直行。

東洋館は 1 階に源泉かけ流しの浴場、4 階には大浴場と、2 箇所の浴場があり、まずは 1 階にある源泉かけ流しの浴場の方へと向かいました。最初に入ったタイミングでは浴場内に別の方が 1 人おられたのですが、ちょうど出ていくところだったのかすぐに貸切状態に。その後は誰も入ってくることもなくのんびり温泉を楽しむことができました。

翌朝は部屋でテレビの情報番組を見るなどしてのんびりした後、団体の方々が朝食を食べ始めるくらいの時間に部屋を出て今度は 4 階の大浴場へ。時間を見計らったからか、大浴場には誰もおらず昨晩と同じく貸切状態。大浴場というだけあって 1 階の浴場よりもかなり広く、大きな窓から差し込む朝の太陽の光が空間をどこか幻想的なものにしていました。

泉質はアルカリ性単純泉で、色は無色透明。お湯に浸かっているとなんとなくヌルヌルとした感じになるのが特徴的で、個人的には 1 階の源泉かけ流しの浴場よりも 4 階の大浴場のほうがヌルヌルとした感じが強かったように思いました。

夕食は宿へ来る前に外で食べてきましたが、せっかく温泉宿に泊まるのに食事を楽しまないというのはナシだろうということで朝食は宿でいただきました。横に広くたくさんの器が並べられていて写真では全然収まりきっていないのですが、色鮮やかな器に盛り付けられた食事はどれもとても美味しかったです。

佐賀県でつくられている有田焼や伊万里焼、武雄焼の器が使われているそうで、食材も佐賀県産のものが多く使われているのだそう。

名残惜しさはありつつも、10 時前にチェックアウトして宿を出発。まずやってきたのは前日にもなんとなく眺めた武雄温泉のシンボルである楼門です。前述の通り、東京駅などを設計した辰野金吾氏による建築物で、釘を一本も使わずに建てられているのだそう。

楼門 2 階の天井には「子(ねずみ)」「卯(うさぎ)」「午(うま)」「酉(とり)」の 4 つの干支の動物が彫り込まれているそう。東京駅のドーム屋根の内側の天井には 8 つの干支のレリーフが発見され、なぜ 8 つだけなのかと長い間謎だったようなのですが、残りは武雄温泉楼門にあったというわけですね。

私が楼門の前までやってきたとき、2 階部分に人影が見えたので「入ることができるんだ~」となっていたのですが、見学時間は朝 9 時から 10 時の間(受付は 9 時半まで)となっていて既にこの日の受付は終了。事前に全然調べていなかったのと、宿の居心地が良すぎたことにより、すぐ目の前に宿泊していたのに中に入ることができませんでした。残念。

気を取り直して、楼門をくぐり武雄温泉の中へ。楼門の奥には同じく朱色に塗られた木造 2 階建ての武雄温泉新館があり、資料館となっている内部を自由に見学することができるようになっていました。楼門と新館はどちらも国の重要文化財に登録されていて、武雄温泉の由来や歴史などが書かれた案内だけでなく、実際に浴室として使われていた場所を見ることができます。

新館の 1 階には土産物を扱うショップがあり、そちらで「楼門ソフト」というソフトクリームを注文。お値段は 500 円でしたが、前日に宿泊した際に「『たけお Pay』という武雄市のデジタル商品券があり宿泊者に 2,000 円分の商品券をプレゼントしている」という話を聞いてスマートフォンへインストールしていたため、実際にこちらのお店で支払った金額はゼロ円。ありがたすぎる。

ちなみに宿泊キャンペーンで「たけお Pay」の商品券 2,000 円分を獲得した人が長崎市内の特定の観光地を訪れると、W チャンスとして武雄市の特産品を貰えるチャンスがあるとのことだったのですが、長崎市内の観光は 2 日前にしてしまったので応募できず。そもそも無から 2,000 円が得られただけで十分ありがたいのですが、順番が逆なら得られたかもしれないものがあると知ってしまうと、なんかすごく惜しいことをした気持ちになる…。

楼門ソフトは武雄温泉楼門を模したクッキーがトッピングされたソフトクリームで、新館の前に設置されていたベンチに座って楼門と一緒に写真をパシャリ。牧場直送の搾りたて生乳 100% だからなのか、溶けるのが異様に早かったように感じました。なめらかで美味しい。

温泉街や武雄温泉楼門を見て回った後は、南の方へ歩いていったところにある 武雄神社 や 武雄市図書館 へ行ってみよう…と思っていたのですが、旅行 3 日目ということで体力的に途中で力尽きてしまい断念。いつかリベンジしたいところです。


佐賀県にある武雄温泉へ行ってきましたが、温泉旅行らしく温泉街を見て回って、宿の食事を楽しみ、のんびり温泉に浸かって…と、充実した時間を過ごせました。温泉が貸切状態だったのと、宿の方の対応が素晴らしすぎたのがとても良かったです。

また、街を歩いていたら自転車に乗った高校生らしき 2 人組に「こんにちはー」と声を掛けられたり、宿の浴場に入ったときにいらっしゃった方にも「こんばんは」と声を掛けられたりと、めちゃくちゃ挨拶をされたのが印象的でした。温泉だけでなく、人との繋がりによっても心が温まる温泉地ですね。