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恵美須町と浜寺駅前とを結ぶ阪堺電気軌道阪堺線を乗り通す

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ひらたけ

西日本最大の都市である大阪市と、大阪市に次いで人口の多い政令指定都市である堺市の間には、阪堺電車という 阪堺電気軌道 が運行する路面電車が走っています。「阪堺線」と「上町線」の 2 つの路線のうち、 大阪市浪速区の恵美須町停留所と堺市西区の浜寺駅前停留所とを結ぶ「阪堺線」に乗車してきました

阪堺線の起点は「恵美須町停留所」。近くには大阪のシンボル・通天閣やジャンジャン横丁などがある新世界、多くの専門店が並ぶ日本橋の電気街があり、多くのひとで賑わっています。

阪堺電気軌道阪堺線恵美須町停留所の駅名標の写真

Osaka Metro 堺筋線の恵美須町駅から徒歩 5 分ほどで、阪堺電車の恵美須町停留所へと到着します。停留所には既に車両が停車していました。1957 年に導入されたものらしく、 50 年以上走り続けている歴史ある車両 のようです。

ICOCA などの交通系 IC カードに対応しており、1 両編成の車両の中へ入ってすぐのところにあるカードリーダーにタッチして乗車します。運賃は 230 円均一で、端から端まで乗車しても 230 円です。

阪堺電気軌道の車両の写真

下車する際は、バスなどと同じように壁に取り付けられたボタンを押して運転手の方に知らせます。ほとんどの停留所で電車を待っている方がいらっしゃったので停留所を通過することはあまりありませんでしたが、誰も待っておらず降りるひともいない停留所は何箇所か通過していました。

恵美須町停留所からしばらくは車の走っていない専用軌道上を通っていましたが、途中の東玉出停留所付近で紀州街道との併用軌道となりました。路面電車っぽい。

住吉大社の近く、住吉停留所では「上町線」と合流します。上町線は、あべのハルカスやあべのキューズモールなどがある JR 天王寺駅・近鉄大阪阿部野橋駅のあたりから伸びている路線です。その次の住吉鳥居前停留所を過ぎると、再び列車は専用軌道を走っていきます。

阪堺電気軌道阪堺線我孫子道停留所の駅名標の写真

2023 年 12 月現在、恵美須町停留所から発車する 阪堺線の列車は全て途中の「我孫子道停留所」止まり となっており、こちらで一度下車することになります。

天王寺駅前停留所から来て途中から阪堺線へと乗り入れている上町線の列車は半分ほどが阪堺線の終点である「浜寺駅前停留所」まで走っていますが、阪堺線の列車は直通する列車がありません。昔は直通する系統があったようなのですが、利用者の減少などが原因でしょうか…。

我孫子町停留所の近くには阪堺電気軌道の車庫があり、多くの車両が止まっています。また、この停留所が大阪市内南端の駅となっていて、南側を流れる大和川を渡ると堺市に入ります。

阪堺電気軌道の車両の写真

我孫子町停留所へやってきた乗り継ぐ列車は、ここまで乗車してきた列車より少し新しい雰囲気を感じるもの。調べてみると 1987 年に登場したものだそうで、 30 年以上が経っているこちらも歴史ある車両 のよう。

阪堺電気軌道は南海グループに属しているので、車両には南海のブランドシンボルが描かれていました。未来に向けて力強く羽ばたいていく姿勢を表現した、ファインレッドとブライトオレンジの 2 色で構成した翼らしい。個人的におしゃれな感じがしてすき。

列車は堺市に入り、「綾ノ町停留場」から再び道路の中央を通る併用軌道に。大阪市内での併用軌道と同様に紀州街道を通っていますが、堺市内では「大道筋」という愛称が付けられている道路のようです。「御陵前停留所」からは再び専用軌道になります。

阪堺電気軌道浜寺駅前停留所の写真

恵美須町停留所を出発してから およそ 1 時間ほどで阪堺線の終点である「浜寺駅前停留所」に到着 しました。なかなか味のある駅舎…。

「浜寺駅前」という名前ですが、近くにあるのは南海電鉄の「浜寺公園駅」で徒歩 2 分ほどの場所にあります。道路を挟んだ向かい側には浜寺公園という広い公園があり、多くの人で賑わっていました。この公園、明治 6 年に開園した大阪で最も古い公園の 1 つらしい。150 周年と書かれた旗が各所に設置されていました。

今回は恵美須町停留所から阪堺線に乗車しましたが、機会があれば天王寺から上町線にも乗車してみたいです。